「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

発信箱:「福田さんと拉致問題」与良正男

話題:MSN毎日インタラクティブ


 今度の自民党総裁選で一番驚いたのは慎重な言い回しが多い福田康夫氏が北朝鮮による拉致問題だけは「私の手で解決したい」ときっぱり語ったことだった。やはり、相当こだわっていたのだ、福田さんは。

 02年9月の小泉純一郎前首相の訪朝後。5人の拉致被害者を北朝鮮が主張するようにいったん戻すかどうか、官邸内で対立が起きた。交渉継続を重視しようとした福田氏に対し、「北朝鮮に戻すな」と猛反発したのが当時、官房副長官だった安倍晋三首相だった。

 軍配は安倍氏に上がった。この「戦うイメージ」で安倍人気は急上昇し、首相への道を開く。福田氏には屈辱的だったろう。あれ以降、二人の関係は抜き差しならないものになった。

 昨年、総裁選出馬を断念したのも北朝鮮問題が絡んでいた。7月5日、北朝鮮はミサイルを連射。緊張感が高まる中、福田氏は「安倍君が思う存分やればいい」と語ったそうだ。不出馬の理由はそれだけではなかったろうが、対話重視の自分の出番ではないと判断したのだと思う。

 曲がりなりにも北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議が続く中、福田氏が表舞台に再登場するのも何かのめぐり合わせだろう。無論、拉致問題解決への道のりは険しい。対話が「妥協」と受け取られたら、国民の支持が離れていくことも、福田氏は嫌というほど承知しているはずだ。

 何事にも淡泊そうに見えて、内面は結構激しい人というのが森内閣の官房長官時代、毎日、記者会見で福田氏を見てきた私の印象だ。執念深く、取り組んでいただきたいと思う。(論説室)

毎日新聞 2007年9月24日 0時08分
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by miya-neta | 2007-09-24 00:08 | 政 治