「ネットいじめ」県内公立校3割…兵庫県教委が昨年度分調査
2007年 10月 06日
嫌がらせ 高校生10人に1人被害
「誰にも相談しない」27%
2006年度にパソコンや携帯電話のインターネットを利用した嫌がらせなどのトラブルが、県内の公立学校1343校のうち、29%に当たる392校で起きていたことが県教委の調査でわかった。高校生は10人に1人の割合で嫌がらせを経験していた。神戸市須磨区の私立高校で自殺した3年の男子生徒(当時18歳)へもメールで現金を要求するなど〈ネットいじめ〉が判明しており、改めて同じ状況が学校現場に顕在化することを浮かび上がらせた。
いじめによる自殺が全国で相次いだことを受け、県教委が6~7月、県内すべての公立小、中、高校、特別支援学校と、無作為に抽出した児童生徒とその保護者の計2万5800人を対象に、初めてアンケート調査をした。
ネットによる嫌がらせは、学校別では中学校が67%と最も高く、次いで高校の45%、特別支援学校の23%、小学校の10%。「メールやインターネットの掲示板、ブログなどに悪口を書かれたり、嫌がらせをされたりしたことがある」と答えた小学生は2%、中学生は6%、高校生は10%、全体では5%だった。
反対に「ネットによる嫌がらせをしたことがある」と答えたのは、小学生1%、中学生4%、高校生4%、全体では3%だった。嫌がらせの理由は、「自分がされた仕返し」が全体の41%と最も多く、次いで「軽いいたずらのつもり」の32%だった。
また、こうしたいじめを見つけた時の相談相手(複数回答)は「友人」の57%に対し、「家の人」は半数以下の24%にとどまった。逆に「誰にも相談しない」は27%にも上った。
保護者で「子どものパソコンや携帯電話に有害情報を遮断するフィルタリングサービスを設定している」と答えたのは25%。さらに「子どもがメールや掲示板で嫌がらせを受けたことがある」と回答したのは2%で、嫌がらせを受けている子ども(5%)の半数以上の親は「ネットいじめ」を知らないという実態もうかがえた。
県教委義務教育課は「学校現場などでどう対応すべきかを検討していくうえで重要なデータ」としている。調査結果を基に有識者らによる会議で検討を重ね、来年2月には報告書をまとめる。
(2007年10月6日 読売新聞)