昨年度のいじめ認知914件 県内で前年度の3倍:三重
2007年 10月 18日
2007年10月18日
県内にある公立の小中高校と特別支援学校で二〇〇六年度に認知されたいじめが九百十四件にのぼったことが、県教育委員会の調査で分かった。文部科学省が昨年度からいじめの定義を広げたため、三百十四件だった前年度の約三倍になった。県教委は「隠れていたものが表に出て、実態に近づいた」としている。
調査対象の六百八十七校のうち、いじめを認知したのは約45%の三百六校。学年別では、中学一年が二百二十九件と最も多く、続いて中学二年百七十六件、小学六年百七件。
いじめの様態は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が全体の約43%を占め、小中学校は「仲間外れや集団に無視される」、高校は「ぶつかられたりけられたりする」がそれぞれ続いた。認知したいじめの約94%が、年度内に解消したという。
いじめによる自殺が相次いだのを受け、文科省は昨年度、いじめの定義を拡大。「弱い者に一方的に」「(攻撃を)継続的に」「深刻な(苦痛を感じる)」などの言葉が無くなり、被害者が精神的な苦痛を感じた段階で認知することになった。
県教委生徒指導・健康教育室は認知件数の大幅増について「定義の変化や、いじめが社会問題化して本人や家族が訴えやすくなったことが要因。この結果を基点に、減少に転じられるようにしたい」としている。
調査は、文科省が全国で実施する「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」の一環。県内分は、各学校が全国統一の調査用紙に記入し、県教委が集計して発表した。
(矢野修平)