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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

給食の国の基準に反旗、足立区が独自献立へ

ニュース : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


 法律や国の基準などで1食あたりの食品構成モデルが定められている学校給食について、東京都足立区は国の基準を離れ、来年度から独自の基準作りに取り組むことを決めた。区内の学校で年30万本以上の牛乳が捨てられるなど、大量の食べ残しが出る現状に、「自由な発想で子供がおいしく食べられる献立を」と思い立ったという。

 文部科学省は「基準を守ってもらえないのは遺憾」と難色を示しており、専門家の間でも賛否が分かれている。

 文科省は、学校給食実施基準の中で児童・生徒1人が1食で摂取すべき熱量やカルシウムなどの栄養所要量を定めているほか、その栄養をどのような食品からとるべきかという目安を標準食品構成表で明示。8~9歳の児童の場合、1食で牛乳206グラム、米48グラム、小麦23グラム、豆製品20グラム、魚介類16グラム、小魚類3グラム――など25食品について摂取量を記載している。

 特に牛乳は、学校給食法施行規則で「ミルク」があるものを給食と定義しており、「牛乳なしの献立は認めない」(学校健康教育課)という姿勢だ。

 これに対し、足立区では、今年中にも区内の6小中学校をモデル校に指定し、来年4月から1年間、国の基準にとらわれない独自メニューの給食を提供する方針。食べ残し量を調べたり、子供や保護者にアンケートを実施したりして、その結果をもとに区独自の食品構成表を作るという。

 きっかけは、昨年度、区内の全109小中学校を対象に行った調査。年間で30万3122パックの牛乳が廃棄されたほか、約636トンの残菜も出ていた。「なぜ食べ残しが多いのか」と、給食の献立作りを担当している栄養士から話を聞くなどしたところ、国の基準に縛られ、数字合わせに汲々(きゅうきゅう)となっている現状が浮かび上がったという。

 国の基準に従うと、例えば牛乳は、週3回ある米飯の日にも出さなければならない。牛乳の代わりに温かいみそ汁をつけ、カルシウムは小松菜や小魚やチーズなどでとれないか。子供の嫌いな豆を半分にして、穀物や豆腐で補えないか――。担当者は「せっかく各校に栄養士がいるのに、項目や数値が細かすぎて腕の振るいがいがない。自由な発想で、子供の喜ぶ献立を工夫したい」と語る。

 同様の動きは他の地域でも出始め、東京都武蔵野市では、2年前から独自の食品構成表作りを試験的に開始。北九州市でも、保育園1園が昨年10月から、反対する市を説得して独自メニューに取り組み始めた。


食文化伝える目的…文科省

 こうした傾向に、文科省は「給食には、必要な栄養素をとるだけでなく、子供の偏食をなくしたり、正しい食文化を伝えたりする目的がある。牛乳をなくすのは論外だが、その他の食品についても、子供が食べないからという理由で構成を大きく変えるのは遺憾だ」と強調。昨年10月に中学校2校で牛乳なしの給食を始めた三重県桑名市の場合、同省から「好ましくない」と指導を受け、結局、牛乳つきの給食に方針を変えている。

(2007年11月17日 読売新聞)
by miya-neta | 2007-11-17 10:01 | 教 育