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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

また無差別凶行…18歳少年、岡山駅でホームから県職員突き落とし死なす

社会:スポーツ報知


 25日午後11時5分ころ、JR岡山駅で18歳の少年が、電車を待っていた岡山県職員の仮谷国明さん(38)をホームから突き落とした。仮谷さんは電車にはねられ、病院に運ばれたが約5時間後に出血性ショックで死亡。少年は県警鉄道警察隊員に殺人未遂の現行犯で逮捕された。「人を殺せば刑務所に行ける。誰でも良かった」などと話しているという。被害者の死亡を受け、岡山西署では容疑を殺人に切り替え、直前に起きた茨城県土浦市の8人殺傷事件の影響なども視野に入れ詳しく調べている。

 終電間際、帰宅を急ぐ客で混雑する深夜の2番ホームに警笛が鳴り響いた。2列に並び電車を待つ約20人の先頭に立っていた仮谷さんの左後ろから、白いシャツ、黒いズボン姿の少年が接近。無言のまま両手で仮谷さんの背中を押し、線路へ突き落とした。そこに4両編成の瀬戸発岡山行の普通列車が入線。仮谷さんは約5メートルはね飛ばされ倒れた。事故直後は、意識があり駆けつけた救急隊員に「腰が痛い、腰が痛い」と繰り返し訴えていたという。

 岡山県警によると、少年は大阪・大東市で両親と兄の4人家族で、先月29日に大阪の府立高校を卒業したばかり。「誰でも良かった。一番前の人の背中を押した」と無差別殺人を示唆しているという。

 また「人を刺してやろうと思った」とも話しており、ショルダーバッグの中には自宅から持ち出した刃渡り約12センチの果物ナイフが、むき出しのまま入っていた。岡山に到着後、人を刺そうと駅周辺をうろついたが、決心がつかなかったと話している。取り調べには淡々とした様子で応じ、特に反省の言葉はないという。

 事件前日の24日夜、茨城県土浦市の8人殺傷事件を伝えるニュースを見ながら、父親が「こんなことをしたらあかん」と話した時、少年は変わった様子もなく「うん」と答えた。この日、職業安定所へ仕事を探しに行った少年に、父親は「時間があるから、ゆっくりでいいんちゃうか」とアドバイスしたという。

 しかし25日朝に突然の家出。私鉄、タクシー、JR山陽線を乗り継ぎ同日午後7時ごろ岡山駅に到着した。犯行時の所持金は3560円。岡山駅から140円区間の切符を持っていた。

 成績優秀だった少年は家出の原因について「経済的な事情で大学進学をあきらめたことも理由のひとつ」と説明。「大阪を離れたかった。行くあてもなく電車に乗った」と話しているという。父親は「進学させてやれず悔やまれる。そこまで大きな悩みではないと思っていた」と肩を落とした。

◆中学で一時いじめ、東大目指すも経済的事情で断念

 通っていた高校や同級生らによると、少年は中学時代にアメリカンフットボールをしており体格は良かったが、非常におとなしい性格だったという。高校3年間で欠席は2日しかなく、精勤賞の表彰を受けていた。

 「休み時間も自習していた」と校長が語るように少年の成績は、トップクラス。トマトに水を与えないことによる影響を研究しており、東大や医学部への進学を希望していた。ただ担任から「理想が、高く現実離れしている」と言われ、合格圏内の国立大への志望変更を促されても受け入れない頑固な面があったという。卒業式前後には、下あごにひげを生やした姿も目撃されていた。

 家庭の経済的な事情で進学を断念。それでも「当面は簿記などの資格をとって、アルバイトしながらお金をためる」と語り、将来の大学入学に希望を持っていた。

 その一方で、小中学校では、いじめを受けていたといい中学時代の同級生は「友達とうまくつきあえない感じで、ずっと一人で座っていた」「悪口を言われたり、つつかれたりしていた。うじめは1年から卒業まで続いた」と口をそろえる。

 高校の同級生(18)は「彼がやるなんてあり得ない」とショックを受けていた。

◆少年の父親、涙の謝罪

 逮捕された少年の父親(56)がこの日、岡山市内で会見し「遺族に申し訳ない気持ちでたまりません」と謝罪した。事件の動機について「分かったらこんなことにならない。ずっと『何で、何で…』としか思い浮かばないんですよ」と涙をこぼした。

 父親は「心の底まで見抜けなかった。僕から見れば怖がりで、お父ちゃん子。おばあちゃんに席を譲るような優しい子だった」と悔しそうに言葉をつないだ。

 一家は阪神大震災で被災し、その後大東市に引っ越した。少年は新しい学校でいじめにあったという。「小、中学校でいじめられた経験が心に少し残っていたのかなと思う。人を傷つけるなら僕を傷つけてくれたら良かった。ばかな息子ですみません」。約1時間20分間続いた会見中、いすに座るように勧められても断り、立ったままで涙を流し頭を下げ続けた。

 ◆被害者は子煩悩な父親 ○…死亡した仮谷さんは妻と小学校、幼稚園に通う娘2人の4人暮らし。休みのたびに子供と1緒に遊びに行くほど子煩悩。最近は新しく家を建てるための準備を進め、手付金も支払うなど幸せそうだった。父の要さん(70)は「孫娘2人は今も泣いている。慰めの言葉もない」と気遣い、少年に対しては「はらわたが煮えくりかえる思い」と憤りながらも「罪をつぐない、社会復帰したら世のためになる人になってほしい」と言葉を詰まらせた。

(2008年3月27日06時02分 スポーツ報知)
by miya-neta | 2008-03-27 06:02 | 社 会