不登校:拡大する「中1ギャップ」 小6→中学、変化になじめず/山形
2008年 04月 29日
◇06年度は4倍に
小学生が中学生になった途端、授業や生活の変化になじめず不登校になる「中1ギャップ」が県内で拡大している。05年度の小学6年の不登校児は55人なのに対し、06年度の中学1年の不登校生徒は223人で、4・05倍に増えていた。県義務教育課は「4倍の大台に乗ったことは重大と考えるが、一過性の事態という可能性もある。慎重に調べたい」と話している。
同課によると、近年では、▽02~03年度は2・68倍(65人↓174人)▽03~04年度は3・71倍(52人↓193人)▽04~05年度は3・75倍(52人↓195人)--で、拡大傾向が続いている。
クラス担任制から教科担任制への移行、別の小学校から進学してきた生徒との交友関係など環境の変化を受けて、中1になると不登校になるケースは以前から多かった。
また、06年度は不登校児童・生徒ともに増え、計1023人と4年ぶりに1000人台を突破。全国的にも増加していた。
同課は「全国的に不登校が増加した06年度に何があったのか、はっきりしない。中1ギャップの拡大は非常に重要な問題と認識しているが、まずは事実と背景の確認を進めたい」と話している。
「いじめを許さない教師の会」会長の後藤克彦・大石田町立横山小教諭は「小学生への学習指導が甘くなっても、中学に進学すれば3年後の受験という現実が突き付けられる。ゆとり教育路線で、学習意識へのギャップが大きくなったことが原因では」と推測している。【大久保渉】
毎日新聞 2008年4月29日 地方版