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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

こどもの日 しっかり向き合わねば(5月5日)

社説 北海道新聞


 「こどもの日」が制定されたのは一九四八年のことだ。法律には「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる」とある。

 制定から今年で、ちょうど六十年になった。果たして今、子どもたちの人格は守られているだろうか。みんな、幸せに暮らしているのだろうか。

 残念なことに、学校でのいじめが後を絶たない。文部科学省の調べでは、二〇〇六年度に全国の小中学校で発覚したいじめは十二万五千件に上る。いじめが原因とみられる子どもの自殺も六件あった。

 ボクシングの世界チャンピオンで胆振管内豊浦町出身の内藤大助さんは中学時代、いじめにあっていたことを公言している。ボクシングを始めたのも、強くなって、かつて自分をいじめた同級生を見返してやりたいとの思いがあったからという。

 「いじめられっ子のチャンピオンベルト」(講談社)の中で、いじめられている子どもらを「(いじめが)永遠に続くなんて思わないでほしい。絶対に抜け出せるから。解決できる日がくるから。変われる自分も出てくるから」と励ます。

 恵庭市出身のタレント矢部美穂さんも、中学時代に激しいいじめを受けた。

 友人がいじめで悩んでいる-とのファンからの相談に、自身のブログ(インターネット上の日記)で「心配してくれたり、理解してあげてくれる人が必ず、近くにいるんだってことに気づかせてあげること」が大事と答えている。

 「自分に負けないで一歩ずつでいいから乗り越えて歩んでほしい」とブログは続く。

 滝川市出身の作家雨宮処凛(かりん)さんも小中学時代にいじめにあい、自殺を考えたこともあるという。

 以前、北海道新聞の取材で、いじめる側に対し「面白半分だったとしても、相手が深く傷つき自殺してしまえば“殺人犯”になりかねないと知って」と訴えていた。

 三人に共通するのは、いじめられている事実を、親には知られたくないと思っていたことだ。心配させたくないと考えたのだろう。今、同じ思いに悩んでいる子どもたちは多いかもしれない。

 だが、言葉では伝えなくても、ちょっとしたしぐさや顔色などで「異常」の信号は発信されているのではないか。親としては、それをしっかり受け止めることが大事だろう。

 日々の生活の中で、子どもときちんと向き合っているか、もう一度見つめ直したい。

 「つたわるよ めとめをあわせて はなしたら」。今年の児童福祉週間の標語だ。
by miya-neta | 2008-05-05 08:46 | 教 育