NYタイムズの名物コラムニスト、サファイア氏が引退へ
2004年 11月 18日
ニューヨーク・タイムズ紙に31年間、保守派の見地からコラムを書き続けてきたウィリアム・サファイア氏(74)が、来年1月24日のコラムを最後に引退することになった。同紙が15日発表した。同氏の希望によるものだという。同紙日曜版に付く「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」連載の人気コラム「言葉について」は、その後も続く予定。
サファイア氏はニクソン大統領の演説執筆者を務めたあと、73年に同紙に政治コラムニストとして加わった。ライバルのワシントン・ポスト紙が保守派コラムニストを採用したのに対抗したといわれる。
リベラル色の濃いニューヨーク・タイムズ紙で、保守派の見解を示して釣り合いをとる役目を担っていたといえ、イラク戦争でも社論とは異なり「ブッシュ支持、国連批判」。15日付コラムも「イラクでの石油と食糧の交換計画に絡む疑惑で、情報を出さないアナン国連事務総長批判」を繰り広げている。
サファイア氏は声明で「手斧(ておの)を収めるときがきた」。ニューヨーク・タイムズ紙のサルツバーガー社主は声明で「全国、全世界の読者にとって、彼のコラムを読むのが日々の楽しみだった。彼の意見に同意するか否かは問題ではない」と引退を惜しんだ。
(2004/11/16 19:50)