<北朝鮮ミサイル>11時半ごろ発射、迎撃せず 太平洋へ
2009年 04月 05日
2009年4月5日 12時01分
政府は5日午前11時33分、北朝鮮が咸鏡北道(ハムギョンプクド)花台郡(ファデグン)舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地から「人工衛星」として準備していた長距離弾道ミサイルを発射した模様だと発表した。
発射は11時半ごろで、ミサイルからの落下物は37分ごろ、秋田の西、約280キロの日本海上に1個が落下、もう一つが43分ごろに日本の東、約1270キロの太平洋上に落下したと見られる。落下物への迎撃(破壊措置)は行われなかった。政府は同37分ごろに東北地方から太平洋に通過したと推定している。
発射を受け、麻生太郎首相は記者団に「まずは安全の確認、情報収集の強化、情報の迅速な提供を指示した」と語った。
日本の領土、領海に落下する事態に備え、政府は自衛隊法に基づく「破壊措置命令」を先月27日に初めて発令し、ミサイル防衛(MD)システムで迎撃する態勢を取っていた。北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射は98年8月、06年7月に続いて3度目。
今回のミサイル発射について、北朝鮮は実験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」を搭載したロケット「銀河(ウンハ)2号」だと主張。先月12日には国際海事機関(IMO)と国際民間航空機関(ICAO)に、4月4日から8日の間に発射すると通告していた。
日米韓の3カ国は、北朝鮮がミサイルを発射した場合は「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動」の停止を求めた国連安保理決議1718に違反するとの方針を既に確認している。
今後、日本政府は米韓両国政府と連携しながら、決議1718の実施徹底を求める新たな決議採択を安保理に求める方針だ。また安保理の論議とは別に、日本は独自に北朝鮮への輸出の全面禁止を柱とする追加制裁の検討に入る。