与党、国会事前承認に応じず 海賊法案21日修正協議入り
2009年 04月 19日
与党と民主、国民新両党は19日、ソマリア沖などでの海賊対策のため自衛隊派遣を随時可能にする海賊対処法案について、21日から修正協議に入ることを決めた。これに関連し19日のNHK番組では、民主党が自衛隊派遣をめぐり国会の事前承認を求めたのに対し、与党は応じられないとの考えを表明した。
修正協議は、国会事前承認のほか、海上保安庁の位置付けなどが焦点となる。共産党は派遣自体に反対、社民党は政府案のままでは憲法違反との立場だ。
民主党の鉢呂吉雄「次の内閣」外相はNHK番組で「事前承認は必要。他の野党とも連携し与党と修正協議をする」と表明した。自民党外交調査会長を務める山崎拓前副総裁は「事前承認は無理」と指摘。公明党の山口那津男政調会長も「ねじれ国会の状況下で国会の事前承認に委ねられると非常に不安定な制度になる」と難色を示した。
海賊対処の主体については鉢呂氏が「一時的に海上保安庁の装備が足りなければ自衛隊派遣も必要だが基本的には海保だ」と主張。与党側は「自衛隊を活用する以外に対応できない」(山崎氏)と反論した。
社民党の阿部知子政審会長は「与党とは隔たりが大きい。『ここも、あそこも譲れない』と言っている」と述べ、修正協議よりも国会論戦を重視する考えを強調した。共産党はソマリアへの民生支援を優先すべきだと主張。国民新党は与党に大幅な修正を求めた。
2009/04/19 17:22 【共同通信】