(12/3)ニンテンドーDS発売、大人くすぐる携帯ゲーム
2004年 12月 08日
任天堂が2日、新しい携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を発売した。これまで携帯ゲームを楽しむのは子供が中心だったが、店頭には会社員やOLの姿も目立った。“新顔”の客をひきつけたのは、タッチペンや音声で操作する新機能と、恋愛などをテーマにした大人向けソフトだ。12日にはソニー・コンピュータエンタテインメントも動画や音楽が楽しめる携帯ゲーム機を発売する。ゲーム市場活性化のカギは大人が握る。
2日の朝、ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)とヨドバシカメラ新宿西口本店(東京・新宿)は通常より2時間以上開店時間を繰り上げたが、多い店では100人以上が店頭に列を作った。ヨドバシでは夕方以降、会社帰りのサラリーマンが殺到し、10時の閉店近くまで行列をつくった。
任天堂の国内受注は予定の倍の200万台。人気を支えているのは根強いゲームファンだが、新たな顧客層も増えてきた。ヨドバシで同製品を買った20歳の男性は「画面が2つあるなど今までにない製品で面白そう。『子供向け』という携帯ゲームのイメージが変わった」と話す。
実際、量販店各社の売れ筋ソフトを調べてみると、2日発売の12タイトル中、ヨドバシとビックで3位にセガの「きみのためなら死ねる」(5040円)が入った。あこがれの彼女がなくした宝物を探したり、突然の事故から救出したりする恋愛物語で、大人向けの作品だ。
このほかマージャン、カードゲームなど従来の携帯ゲーム機にはあまりなかったソフトをそろえたところ、手を伸ばす会社員などが多かった。大人の客の中には、長い時間がかかるロールプレイングゲームだけではなく、手軽に暇をつぶすソフトを楽しむために、携帯ゲームを購入する人が少なくないようだ。
1、2位の「スーパーマリオ64DS」(4800円)、「さわるメイドインワリオ」(同)は固定ファンの多いマリオシリーズ。エディオンではDSのソフト販売本数のほぼ半分がこの2本。「タッチパネルを使ったユニークな操作法が受けている」(都内の量販店)。例えば指に器具をつけて画面に触れると、キャラクターが滑らかに動く点などがファンをひきつけている。
ソニー・コンピュータエンタテインメントが発売するプレイステーションポータブルは動画、音楽のほか、無線LAN(構内情報通信網)機能がありインターネットにもつなげる。より大人を意識した製品で、顧客層の広がりも予想される。
マージャンなどのソフトも発売(2日、大阪市北区のヨドバシカメラマルチメディア梅田)