結婚指輪を切るくらいなら指を イラクで負傷の米兵
2004年 12月 13日
2004.12.13
Web posted at: 11:49 JST - CNN/AP
カリフォルニア州ビクタービル――「薬指を残すためには、この結婚指輪を切り落とさなくては」とイラクの野戦病院で言われたとき、米海兵隊のデービッド・バトル兵長(19)は迷わず、「指を切ってください」と頼んだ。
AP通信によると、バトル兵長は11月13日、イラク・ファルージャの戦いで左手と両脚に重傷を負った。現在は帰国し、ロサンゼルス北東の両親宅で静養している兵長は、所属小隊と共に、ファルージャ市内の建物に入ろうとしたところを襲撃された。この時ほかに、海兵隊員11人が負傷した。
野戦病院の医師は、激しく損傷した左薬指をバトルさんが失わずに済むよう、結婚指輪を切断しようとした。
「でもそんなことをしたら、結婚指輪が台無しになってしまう。妻ほど強い女性をぼくは知らない。ぼくが派兵されて以来、家で2人分の生活をきちんと面倒みているのは彼女だ。彼女の苦労には報いようとしても報いきれないし、感謝しようとしても感謝しきれない。彼女はぼくのソウルメイト。彼女をどれだけ愛してるか……」とバトル兵長は語る。
本人の意思に従い、医師は薬指を切断した。しかしその後の混乱で、かんじんの結婚指輪は紛失してしまった。
バトルさんは落胆したが、妻のデボンさんは、こんなに名誉なことはないと話す。
「まさかそんなことをしたなんて、信じられない。最初にいきさつを聞いたときは、すごく怒りました。でも次第に、彼と人生を共にしている自分が、なんて幸せ者なんだろうと気づいたんです」とデボンさん。
2人が知り合ったのは中学時代。バトル兵長がイラクへ出兵したわずか2週間前の今年6月に結婚した。バトルさんは、回復したらいずれ海兵隊に復帰し、結婚指輪も新しくするつもりだと話している。