臓器提供カード一新、法律家集め検討…厚労省
2004年 12月 21日
移植医療の臓器提供意思表示カードが、記載ミスで無効になるケースが多いため、厚生労働省は、わかりやすい新型カードの作成に着手することを決めた。
記載内容の法的な問題について、法律家を集めた作業班で17日に検討し、本格的な作業に入る。
厚労省は10月の臓器移植委員会で、軽微な記載ミスは有効と解釈する弾力運用を認めたが、記載ミスしにくい新しいカードを作り、書きやすくすべきだと判断した。
現行カードは〈1〉臓器提供の意思を「脳死後に提供」「心停止後に提供」「提供しない」の3つから選んで、文章の冒頭にある数字に「〇」を付ける〈2〉提供に同意する臓器の種類を、列記された臓器から選択して「〇」を付ける――という2段階になっている。記載ミスの6割は、提供したい臓器に「〇」がつけてあるのに、冒頭の数字に「〇」がない例。文章冒頭に「〇」はあっても、臓器に印がなく、提供したい臓器が不明なものも多い。
厚労省では、新たに作成するカードでは、提供の意思を示す方法は、数字に「〇」をつける方法から、「はい」か「いいえ」のいずれかを選択するスタイルなどを検討。提供に同意しない臓器のみに「×」をつけ、印のない臓器は「同意」とみなす方式など複数の案について、議論する。
(2004/12/17/03:07 読売新聞 無断転載禁止)