スマトラ地震:死者は10カ国で2万2000人以上に
2004年 12月 27日
インドネシアのスマトラ島沖で26日に発生した大地震によるインド洋津波の被害は27日午後になってさらに拡大し、ロイター通信などによると、同日夜までの死者は10カ国で計2万2000人以上となった。日本外務省によると、日本人観光客の行方不明者は少なくとも20人で、スリランカ南部の観光地で12人、タイの観光地プーケット島周辺でも少なくとも8人が津波に巻き込まれたとみられる。またスリランカでは100万人に及ぶ避難民が出ているという情報があり、大津波は各国に深刻な傷跡を残す可能性がある。
これまでに確認された死者は、▽スリランカ1万29人▽インドネシア約5000人▽インド6289人▽タイ839人▽マレーシア52人▽モルディブ43人▽ミャンマー36人▽ソマリア9人▽バングラデシュ2人▽ケニア1人。行方不明者はインドで約1300人、タイで数千人に上るとみられるが、各国とも被害実態の把握が困難で、犠牲者はさらに増える可能性がある。
スリランカで行方不明になっている日本人12人は、旅行代理店「大陸旅遊」(東京都新宿区)が募集した野性動物を見学するツアー客。同社によると、添乗員1人、幼児1人を含む20人が参加し、同国南東部のヤラ国立公園内で被災した。残る8人は無事。同社と提携している現地旅行会社によると、動物保護区で車に乗って観光を楽しんでいたが突然、大きな津波に襲われたという。ただ、外務省にはホテルの倒壊に巻き込まれたという情報がある。
また、外務省によるとタイのプーケット島周辺で行方不明なのは、小学生以下4人を含む5家族で少なくとも8人。
国内大手旅行会社など17社が加盟する日本旅行業協会から国土交通省に入った情報によると、同日午後5時45分現在、日本からのツアー客のうち22人と連絡が取れないという。
被災地では情報が途絶えたり、錯そうしたりしている。ツアーに参加していない個人旅行者も多いとみられる。
また、外務省によると、被災地域周辺に住む在留邦人約930人と連絡が取れていないという。プーケット島周辺で約500人のうち350人、マレーシア・ペナン島周辺で約1600人のうち400人など約930人と連絡が取れていない。モルディブは電話がつながりにくく180人全員と連絡が取れないという。国際協力機構(JICA)によると、派遣されている青年海外協力隊のうち、タイで4人、モルディブ2人、スリランカ1人の計7人の安否が確認できていない。
毎日新聞 2004年12月27日 20時46分