日本のパレスチナ支援、総額67億円に 発言力強化狙う
2005年 01月 05日
政府は、9日に実施予定のパレスチナ自治政府議長選挙や、その後の中東和平促進のため、総額約67億5000万円の支援計画をまとめた。このうち今年度の補正予算案に66億円を計上する。本格的な支援に乗り出すことで、和平への貢献をアラブ諸国に印象づけ、発言力を強めたいとの狙いがある。
議長選挙には、河井克行外務政務官を団長に外務省職員ら23人の監視団を派遣する。また、広報啓発活動や国連の支援に1億2000万円、選挙の公正さを裏付けるための出口調査を実施するシンクタンクの支援に3000万円を拠出する。
さらに、その後のパレスチナ復興に66億円を支援する。政府への財政支援と、道路や学校などの生活基盤整備が柱となる見通しだ。
あわせて、要人の往来も活発化させる。今月中旬に町村外相がイスラエル・パレスチナを訪問するほか、中東担当特使として有馬龍夫政府代表を頻繁に派遣し、情報収集と首脳との関係を強化する。また、毎年イスラエルとパレスチナの政財界の要人を日本に招いて開いている信頼醸成会議の規模の拡大も検討している。
日本政府は、アラファト議長死去後、穏健派のパレスチナ新指導部が地方選挙を実施したことなどを評価。「政情の不安定で支援に二の足を踏んでいたが、安定に向かっているこの時期こそ好機。アラブ諸国の信頼を得たい」(外務省筋)としている。
(2005/01/05 17:22)