ES細胞:大脳細胞を作ることに世界で初めて成功 理研
2005年 02月 09日
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)などが、マウスの胚(はい)性幹細胞(ES細胞)から、40%の高率で大脳の神経細胞を作り出すことに世界で初めて成功した。ES細胞はあらゆる細胞になる可能性を持つが、従来は1~2%の成功率だった。アルツハイマー病など大脳の神経細胞に何らかの異常が生じる病気は多く、神経細胞の移植による治療の研究などに大きく貢献する成果。米科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」(電子版)に7日、掲載される。
脳は計1000種類以上の神経細胞からなる。従来の方法では、ES細胞からは主に脳幹の神経細胞が出来てしまい、効率よく大脳の神経細胞を作ることができなかった。研究グループは、ES細胞自身が分泌する物質の働きを抑えるなどの工夫で、大脳細胞になる性質を持つ「大脳前駆細胞」を40%の高率で作ることに成功。この前駆細胞に特殊なたんぱく質を加え、大脳皮質や大脳基底部の神経細胞に変化させた。
同センターの笹井芳樹グループディレクターは「試験管内で大脳組織を作れば、大脳神経の細胞死や機能障害で起こる病気の治療薬開発などに役立つ」と話している。【根本毅】
毎日新聞 2005年2月7日 10時00分
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