坂井前衆院議員:控訴取り下げ、秘書給与詐取罪で収監へ
2005年 02月 18日
政治資金規正法違反(虚偽記入)と、政策秘書の給与を国からだまし取った詐取罪に問われ、昨年12月に1審・東京地裁で懲役2年8月の実刑判決を受けた前衆院議員、坂井隆憲被告(57)は16日付で東京高裁への控訴を取り下げ、1審判決が確定した。坂井前議員は収監される。政治家側が上訴を取り下げて実刑が確定するのは、やはり公設秘書給与を巡る詐欺罪に問われ、今年1月に上告を取り下げて懲役1年4月が確定した佐藤観樹元自治相=服役中=以来。
1審判決によると、坂井前議員は元政策秘書、塩野谷晶(あき)被告(40)=1審で懲役1年8月、控訴中=と共謀し、資金管理団体の政治収支報告書に約1億6800万円を記載しなかった。また、勤務実態のない政策秘書を雇ったように装い、秘書給与約2400万円をだまし取った。坂井前議員側は判決を受けて即日控訴していた。
前議員の弁護人だった弁護士は「控訴後に『取り下げたらどうなるか』と聞かれたので説明したことはあるが(実際に)取り下げるとは聞いていない。どうして取り下げたのか分からない」と話した。法務・検察幹部は「あれほど公判で無罪を主張しながら、突然取り下げるとは理由がよく分からない」と首をかしげた。
坂井前議員は90年の総選挙で初当選して以来、連続4回当選。03年に逮捕後、自民党を除名され、昨年の衆院解散に伴い失職した。【井崎憲】
毎日新聞 2005年2月18日 19時23分