「英語」は今(17) 「会話とは」 まず学べ
2005年 02月 27日
学校現場からも、「『英語』は今」シリーズへの意見が届いた。
「英語力以前に、相手に合わせて会話をするということが大変下手なのです」
「修学旅行は、北米大陸に2週間のホームステイ」という神奈川県の私立高校の男性国語教員(32)が、現地での生徒の立ち居振る舞いを見て気づいたのは、このことだった。
滞在先のホストに、何かを聞かれた生徒が「YES」「NO」は、はっきり答えるのに、会話を続ける意思を見せない。ホストが戸惑う場面を何度も目にした。実は「日本にいても生徒の会話は同じだ」と言う。最近の子供たちのコミュニケーション力不足は深刻だ。
こうした体験から、「相手の意見や相手の望むことを理解し、それに自分の意見を述べることが大切。自国の文化だけでなく、相手の文化を知ろうとする態度がまず必要なのです。人と話すとはどういうことか。まずそこから身につける教育が大切」と訴える。
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東京出身で、ニュージーランドの高校に勤務する日本人女性(39)からも、日本からの留学生の日本語力低下を嘆く声が届いた。現地の高校生に日本語を教え、留学生には英語も教える。
「言葉を選ばないと、日本人なのに日本語での説明をわかってもらえません。日本語は表現が細かく豊かで美しい言葉。その美しさを感受性豊かな若い人が使えないというのは悲しい」
海外に住むからこそ、強く感じることなのだろう。
この女性は、「日本語がきちんと出来ない学生は、英語も、ある程度を過ぎるとなかなか上達しません。やはり母国語がカギです」と締めくくっている。
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このほか、外国語指導助手(ALT)に関して「休暇や住居など、優遇されている割に、仕事量が少ないと関係者から聞かされる」と大分県の女性から。「インターネットや外国放送の普及で、環境も変わった。多数のALTを雇い続ける必要があるのか、考えてみてはどうか」と提案する。
東京都の日本語講師の女性も「やる気のある英語教員を海外に派遣し、教授法を向上させる方が実りが大きい」と訴える。
埼玉県上尾市の女性(52)は、「生徒が授業中にメールや化粧直しをしていても、日本人の先生は注意もしないと聞く。そんな事なかれ主義が、ALTのやる気をそいでいるのでは」と問いかけている。
◆「合宿したい」シニアの情熱
「英語漬けの合宿レッスンに参加したい」。60代以上の読者から、そんな声が多数、寄せられた。受講生の8割が高齢者という合宿専門の英会話学校を訪ねてみた。
富士山のふもとにあった企業の保養所を買い取って研修施設にしているランゲッジ・ヴィレッジ(山梨県鳴沢村)。オーストラリア出身の講師夫妻と寝食をともにしながら、会話中心に学ぶ。コースは最長4週間までだ。
一週間コースに参加した奈良県橿原市の米山恵美(しげみ)さん(68)は「3年前に食品会社を退職してから英会話を始めた。上達が実感できるし、友達が増えるのもうれしい」。英語圏への短期留学も経験、高齢者同士のネットワークが広がり、励まし合いながら頑張っているという。
ヴィレッジの責任者は「お金も時間もある世代だけに、海外ツアーに参加するだけでは飽きたらず、もっと深い体験を求めているのでは」と話していた。
(2005年2月25日 読売新聞 無断転載禁止)
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