「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「硬くなる頭と闘う」 安藤宏基が語る仕事―4

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組織型の思考から、抜け出す

直属の上司を飛び越えてもいいか

 当社の「日清マン十則」という行動規範の最後、十番目には「決断なき上司は無能と思え。社長に直訴せよ」と明記されています。決断が極端に遅い上司や、いくら提言しても判断ができない上司なら、飛び越えてしまいなさいと勧めています。

 もちろん直訴を受けた内容については、その上司本人に気づかれない配慮をします。勢いのある企画や知恵が埋もれてしまったり、業務が停滞してしまうことは企業の活力を奪います。この直訴制度によって管理職にも緊張感が生まれてきました。

 ビジネスマンにとって上司は大きな存在ですから、つい顔色をうかがってしまう。対立したらその後の仕事がやりにくくなるのも明らかです。私はそういう一人ひとりの萎縮(いしゅく)した働き方が仕事をつまらなくし、企業のフットワークを鈍くすると思います。風通しが悪くなると、問題を抱え込むことにもなります。

 だから私は課制も廃止しました。誰もが自由に会社にとってよいこと、お客様にとってよいことを口に出せるようにしたい。ラーメンの上にある具の一品一品までいつも吟味して改良を続けていますが、それは社員がこうしたらどうかと発想したら、すぐに具体化してきた結果なのです。

 あなたの仕事場ではアイデアが採用されるか、一笑に付されるか分かりません。しかし素直に提案するという姿勢と勇気を持って欲しい。必ず分かってもらえると思います。

骨太の仕事人生を
生きて欲しい

 仕事で失敗をする。これはやむを得ない、避けて通れないことのひとつです。ただ、同じ失敗をしても、悔いのないようにやってきたかどうかが大切なのです。失敗ではあったが、これだけやったと自分で自分に納得ができるか。

 私は後悔をするのが嫌いです。失敗した時に、振り返ってあそこで妥協したからだなと思いたくない。考えられる限りの持てる力を出し尽くすことなのです。骨太の仕事というのはそんな働き方を指しています。

 これは新入社員でも社長でもまったく同じことです。今の自分なら、どこまでやれば後悔のない仕事と言えるのか。それは自分にしか分からない。人から評価された仕事でも、自分では不完全燃焼だったと思うことはあるのです。

 仕事で成長していく人は、年齢やポジションと関係なく、自分で設けたハードルを全力で跳ぼうとする人です。そして安易なゴールを作らない。

 インスタントラーメンは世界中で食べられるようになりました。私の家の裏庭で誕生したこの製品が一年間に653億食も食べられています。しかも、50年前に父は、これは世界の食品になると言っていました。志を持つことが仕事の原点なのだと思います。(談)

あんどう・こうき ●日清食品(株)代表取締役社長。1947年大阪府生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。72年日清食品(株)入社、海外事業部担当。73年米国日清(株)取締役。開発部長、マーケティング部長、営業本部長を歴任し83年副社長。85年より現職。(社)日本経済団体連合会理事、日本即席食品工業協会理事長ほか公職多数。
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by miya-neta | 2005-03-13 22:00 | 経 済