バチカン枢機卿:小説「ダ・ヴィンチ」はうそだらけ
2005年 03月 17日
キリスト教会史に疑問を投げ掛け、世界的ベストセラーとなった歴史ミステリー小説「ダ・ヴィンチ・コード」(ダン・ブラウン著、邦訳は角川書店刊)について、バチカンのベルトーネ枢機卿は16日までに、イタリアの新聞やラジオを通じ「うそだらけの本。買うな、読むなと言いたい」と非難した。
小説は「キリスト聖杯伝説」をめぐる謎解きなどが主題。枢機卿は「史実を曲げている」「1800年代の反教会パンフレットのような本」とこき下ろし、「学生の間で、読まないと流行に遅れるという風潮がある」と、同書による若者の教会離れを懸念した。
「ダ・ヴィンチ・コード」は、キリストは結婚し、後継者は女性のはずだったが、後世の教会が男性優位に教義を書き換えたという説を軸に展開。教会を守るために殺人まで犯すカトリック系団体の信者が登場するが、枢機卿は小説の内容に反論しこの団体を擁護した。(ローマ共同)
毎日新聞 2005年3月17日 19時43分