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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

新教育の森:ゆとり・学力・意欲/6 時間、どう有効活用

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 ◇試される大人たち

 学校で教える内容を文部科学省が定めた基準が「学習指導要領」だ。教科書も指導要領に沿って作られている。

 福岡市に本部を置く進学塾「英進館(えいしんかん)」の筒井勝美館長は、理数系の教科書の内容の変遷を調べたことがある。68年と02年を比べると、中学3年間の数学の教科書の総ページ数が39%減っていた。文章問題や図形問題は62%減。理科でも、中学で習う化学反応式が67年から02年の間にほぼ10分の1になった。

 昨年、中3の約2500人に70年度の福岡県立高校の入試問題を解いてもらった。得点率は平均45%。現在では習っていない内容も含まれているが、02年度の問題を解かせた平均(68%)を大幅に下回っている。

 「国民全体の教育水準の高さが日本経済を支えてきた。総合学習をやめて、理数系の授業時間を即時に増やすべきだ」と館長は訴える。

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 「『ゆとり教育』は私たちには逆風です」。中学受験専門塾「希(のぞみ)学園」(本部・大阪市)の前田卓郎学園長はこう言い切る。超難関私立中への合格実績が最大の売り。「入塾してくる子どもの学力が落ちているのに、入試のレベルは以前と変わらない。限られた時間で学力を引き上げなければいけなくなった」というわけだ。

 例えば算数。02年導入の現行指導要領では、かつて小学3年生で習った割り算の筆算を4年生になってから習う。新年度に入塾してくる4年生は「91÷7」など商が2けたの問題は解けないことになる。「中学受験は4年生から準備すれば十分と言ってきたが、今は時間が欲しい。ほんの5年前には考えられなかった状況だ」という。

 塾では、学校の教科書に全く載っていない内容も扱う。昨春、東京進出も果たした。「指導があっさりしてお手軽化している」と見える首都圏の塾に関西流の熱血指導で対抗する。今春、小3向けのコースを開いた。

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 3月、首都圏を中心に展開する中学受験塾「日能研(にちのうけん)」の保護者向け説明会で、南極大陸の図がスクリーンに映し出された。縮尺だけを頼りに面積を求める問題だ。00年の国際調査で出題された。

 実際の面積は約1390万平方キロ。正確に答えを得るような公式はない。円や四角形の面積を計算する知識を駆使し、およその面積を出せば正解になる。「正解は一つ」という問題に慣れた日本の子どもは、50%以上が答えを書かなかった。

 「学力低下」の批判に押され、文科省は03年12月、指導要領を一部改訂して「指導要領は最低基準」と明言した。今春、指導要領の内容を超えた記述のある教科書が小学校で登場する。

 「小学校では円周率を3と教える」。日能研の高木幹夫代表はかつて痛烈な指導要領批判を展開した。だがその後、「単に3・14と覚えればいいと子どもに思われてしまうのではないか」と自分の言葉が怖くなった。「知識より考える力が重要だ」。入試にもそんな問題が増えてきた。今年、「考える」ことを大事にしたコースを新設した。

 今では指導要領は批判の対象ではない。「最低」以上のことを教える自由が学校にはあるからだ。総合学習にも期待する。時間をどう活用するか。「試されているのは大人だ」と、高木代表は言う。=つづく

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毎日新聞 2005年4月12日 東京朝刊

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by miya-neta | 2005-04-12 21:36 | 教 育