人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

共同通信が大慌てで撤回した「王毅」写真

新潮社 週刊新潮 2005年4月28日号


 4月10日、共同通信は町村信孝外相に呼び出された王毅駐日中国大使の写真に、
「頭を下げる王毅大使」
とのキャプションをつけて配信。しかし、王毅大使は、前日の反日暴動による日本大使館や日本料理店の被害について、謝罪どころか遺憾の意すら表明していない。キャプションは「すぐに着席する王毅大使」と訂正したが、なぜか写真まで撤回してしまった。

「一部の加盟社は、その写真を使って印刷を始めていましたが、輪転機を止めて写真を差し替えたのです」
 と、さる地方紙の幹部が語れば、共同の関係者は、
「王毅が頭を下げ、陳謝しているように見える写真でした。中国大使館から適切な写真ではない、との“アドバイス”が共同に伝えられたのです。しかし、APは同じような写真を配信しています。キチンと写真説明を書いておけば、中国にイチャモンをつけられる筋合いではなかった」

 翌11日、共同の山内豊彦社長は北京で、新華通訊社との新協定に調印した。写真の撤回は、中国への配慮だろうと囁かれている。

 さて、写真の撤回について共同はどう説明するか。
「写真取り消しの理由は“読者に誤解を与えかねない”とする弊社の独自判断です。写真取り消しにあたっては、終始、報道機関としての編集上の問題と認識して、判断を下し、対応策を決めています。日本政府、中国政府を含め、外部への配慮で配信内容が左右されることはありません」(田辺義雅総務局次長)

 だが、さる共同の記者はこう語る。
「中国大使館は自国に不利な報道をする社を呼ばないことがあります。共同は、瀋陽の脱北者を報道した後、中国政府から様々な嫌がらせを受けました。日中が非常に緊張している現在、取材拒否に遭ったのでは目も当てられない。無用の軋轢を避けるため、王毅の写真を撤回したんですよ」

 写真そのものが誤解を招きかねないが、誤解をさらに増幅する写真撤回だった。
by miya-neta | 2005-04-21 07:14 | 国 際