中づり広告に謝罪告知文 幼女殺害記事、文春と遺族和解
2005年 04月 21日
2005年04月20日23時17分
東京都文京区で99年、幼女(当時2)が母親の知人の女に殺害された事件で、幼女の母親が雑誌「週刊文春」の記事で名誉を傷つけられたとして、出版元の文芸春秋に損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の和解が東京地裁(大門匡裁判長)で成立した。文春が和解金を支払うほか、遺族の手記と謝罪の意を表した「検証記事」を21日発売の同誌4月28日号に掲載する。また、謝罪する旨の告知文を電車の中づり広告にも掲載する異例の和解内容だ。
文春との和解は3月28日付。20日記者会見した原告代理人の京野哲也弁護士は「中づり広告に、謝罪の意図が伝わる告知文が掲載されて決着した名誉棄損訴訟は例がないのではないか」としている。
原告側は02年8月、「事件の責任が母親にもあるかのような記事で名誉を傷つけられた」として、文春のほか、女性誌で事件を取り上げた大手出版社2社、事件について論評する単行本を出版した1社などを相手に提訴。文春以外はすでに和解が成立していた。
母親側は「多くの人は中づり広告で事件についてのイメージを抱いている」として中づり広告での告知文の掲載を求めてきたが、ほかの出版社との訴訟では和解内容に盛り込まれず、女性誌上での謝罪文掲載、新聞広告での告知文掲載などにとどまっていた。また、手記や検証記事の掲載もなかった。
文春側に対して母親側は「週刊文春の影響力は和解済み3社の出版物と比べて大きく、同じ形での和解は受け入れられない」と主張。手記掲載を文春側が提案し、協議のなかで「検証記事」の掲載も決まった。
告知文は「ご遺族の名誉回復のためにその手記と検証記事を謝罪の意を込めて掲載致します」などとする内容。新聞広告のほか、首都圏、大阪、名古屋の地下鉄車内などにつり下げられる計約1万8000枚の広告すべてに掲載される。
また、同号には(1)幼女の祖父の手記(2)週刊文春編集部による「小誌を含め多くの報道は母親にも責任があるような記述をしたが、その事実は認められなかった。反省と謝罪の気持ちを表したい」などとする「検証記事」――が合わせて見開き2ページで掲載される。
文芸春秋社長室は「記事は犯罪被害者遺族の名誉回復のために小社が提案したもので、あくまで編集記事のひとつと考えている」などとする談話を出した。
.jpg)
