能楽:能・狂言の「子方」に焦点当てた、5回シリーズ--横浜能楽堂で5月8日から
2005年 04月 22日
能・狂言の「子方」に焦点を当てたシリーズ「子方が描く能・狂言」が、横浜能楽堂(横浜市)で5月8日から始まる。
能・狂言の子方は、子供の役だけではなく、「安宅」の源義経のように大人の役や象徴的な存在を演じる場合がある。シリーズでは5回にわたり、子方がシテをつとめる珍しい曲や復活演出での上演などを通し、子方のさまざまな登場形式を見ていく。
第1回は能が金春流の「初雪」。狂言が大蔵流の「老武者」。「初雪」は金春禅鳳(ぜんぽう)作の金春流に伝わる曲。姫がかわいがっていた初雪という名の鶏が死ぬ。悲しんだ姫が近所の上臈(じょうろう)たちをよんで弔いを行うと初雪の霊が現れて舞い、弔いのおかげで成仏できたと感謝して飛び去る。
前シテの姫と後シテの鳥ノ霊を同じシテ方がつとめるのが通常だが、今回は姫の金春穂高は中入り後も舞台に残り、鳥ノ霊を長男で子方の金春飛翔が演じる。
「初雪」の監修をし、演能に先立ち対談「子方とは」も行う金春安明は「応仁の乱以降に活躍した禅鳳は『生田敦盛』や『一角仙人』のように子方の活躍する曲をよく作りました。『初雪』も、もともとは鳥ノ霊に子方を想定して作られたと考えられます。能の手法の範囲内での古式復元の実験となります」と話している。「老武者」は山本東次郎、山本凛太郎らの出演。
2回=6月4日。狂言が和泉流「靱猿(うつぼざる)」(野村又三郎、野村小三郎)、能が観世流「鞍馬天狗」(観世恭秀、観世紘顕)▽3回=7月9日。狂言が和泉流「痺(しびり)」(野村裕基、野村万作)、能が「関原與市(せきはらよいち)」(友枝雄太郎)▽4回=9月3日。和泉流「井杭(いぐい)」(野村虎之介、野村万蔵)、能が観世流「烏帽子折(えぼしおり)」(浅見真州、観世淳夫)。
また5回(10月1日)は、能の観世流「隅田川」を、観世栄夫のシテで子方なしでつとめる。どの回も14時開演。問い合わせは同能楽堂(045・263・3055)【小玉祥子】
毎日新聞 2005年4月21日 東京夕刊
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