学力低下、一定の歯止め
2005年 04月 23日
学力低下、一定の歯止め
04年文科省調査
文部科学省は22日、全国の小学校5、6年生と中学生計約45万人を対象に実施した教育課程実施状況調査(全国学力テスト)の結果を公表した。「ゆとり教育」で学習内容を約3割削減した2002年春導入の新学習指導要領下での初の調査。学力低下が懸念されたが、02年の前回と同じ問題で正しく答えた割合(正答率)は全体的に上昇。大半の教科・学年で前回を上回り、低下傾向に歯止めがかかった。
基礎基本の定着を図る学校が増えた反映とみられ、単純な計算や漢字の読み書きなどの正答率は軒並み上昇した。しかし、記述式を中心に悪化した問題もあった。
中山成彬文科相は「学力低下に若干の歯止めがかかった。ゆとり(教育)じゃいけないと軌道修正してきた結果が表れた」とし、脱ゆとりの方針維持を表明した。
調査は昨年1-2月、全小学校5、6年生の8%に当たる約21万1000人、全中学生の8%に当たる約24万人を無作為抽出。小学生に4教科(国語、算数、理科、社会)、中学生に5教科(国語、数学、理科、社会、英語)のペーパーテストを実施した。総問題数1939問の29%に当たる557問を前回と同じ問題にした。このうち43%が前回の正答率を上回り、39%が同程度、17%が前回を下回った。延べ23の教科・学年別では、中1の国語、社会、数学以外は平均正答率が前回を上回った。
1994-96年に実施された前々回を含めた同じ問題の正答率を比較すると、算数、数学、中学社会を除く各教科で最も高い結果となった。
しかし、前回と同じ国語の記述式問題の平均正答率は63・4%で、前回よりも0・9ポイント低下。算数・数学の記述式問題の正答率も0・1ポイント低下し、昨年、公表された経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査で明らかになった自由記述や理解力の弱さが、ここでも浮き彫りになった。
得点別の人数分布では、数学と中学2、3年の英語でちらばりが見られ、文科省は「いわゆる学力の二極化は見られないが、教科や学年によっては心配なところがある」とし、初めて学力格差が生じている可能性に言及した。
同時に行った意識調査では、「勉強が大切だ」「勉強が好きだ」と答えた割合が前回より上昇。学習意欲がわずかに改善された。
【全国学力テスト】 文部科学省が学習指導要領の定着度を調べるために実施するテスト。正式名称は「教育課程実施状況調査」。旧文部省が1950年代から60年代にかけて実施したテストは学校間の競争をあおると批判を浴び、中止した経緯がある。現在は対象を一部の抽出にとどめ、地域や学校ごとの分析は避けている。前回は2002年1-2月、旧学習指導要領下の理解度を調べるため実施し、前々回の94-96年調査と同じ問題では、算数・数学と社会の正答率低下が目立った。
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