電車脱線:50人死亡、200人以上けが JR福知山線
2005年 04月 25日
25日午前9時20分ごろ、兵庫県尼崎市潮江4のJR福知山線塚口-尼崎間の第一新横枕踏切(警報機、遮断機付き)手前約100メートルで、宝塚発同志社前行き上り快速電車(7両編成、乗客約580人)の1~4両目が脱線した。このうち、先頭の2両が進行方向左側の線路脇にあるマンションに突っ込み「L」字形に折れ曲がり大破した。別の3両も傾くなどした。
尼崎市消防本部によると、この事故で少なくとも50人が死亡した。また、同県警の調べでは200人以上がけがをし、周辺の救急病院などに搬送された。高見隆二郎運転士(23)が車内に閉じこめられ重体、松下正俊車掌(42)にけがはなかった。
JR西日本などによると、現場は「R300」(半径300メートル)と呼ばれる最も急な右カーブで、制限速度は時速70キロ。5年前の東京・地下鉄日比谷線脱線事故を契機に当時の旧運輸省は、急カーブに脱線防止ガードを設置するよう、指導していたが、現場には設置されていなかった。横転する際の速度は分からないとしている。高見運転士は経験11カ月。松下車掌は15年9カ月のベテランだった。
事故を起こした電車は事故直前に、停車するはずの伊丹駅で約8メートルオーバーラン。その際、通常の停車位置に戻るのに、1分半かかり、現場手前の塚口駅通過時点では、1分の遅れだったという。
県警は遅れを取り戻すためにスピードを上げて運行していたとみて調べている。
JR西日本は、福知山線宝塚-尼崎間の上下線で運行を見合わせている。
現場は、尼崎駅北西約約1キロの住宅街で、尼崎市中央卸売市場の近く。
電車は脱線後、ワンボックス型の乗用車を巻き込んだ可能性があるという。
◆最も古いATS
国交省によると、事故のあった区間に設置された自動列車停止装置(ATS)は、速度オーバーには対応しない最も古い型だったという。現場付近の制限速度は時速70キロだが、事故当時の速度は不明。旧国鉄時代のATSで、赤信号を無理に通過しようとすると列車のブレーキがかかるシステムだった。最新式のATSは、制限時速を超えると運転席の警報が鳴り、自動ブレーキが働く。
◆陸自に派遣要請 兵庫県
兵庫県は午前10時20分、事故対策支援本部(本部長、井戸敏三知事)を設置。同11時4分、自衛隊法に基づき陸上自衛隊第3特科連隊(同県姫路市)に隊員約50人と人命救助のための大型重機などの派遣を要請した。
また、総務省消防庁にも緊急消防援助隊を派遣要請。大阪市消防局の25隊と県内の神戸市、西宮市、芦屋市など消防応援隊40隊が出動している。井戸知事も午前11時半、事故現場に向かった。
◆対策本部を設置 国交省
国土交通省は25日午前、北側一雄国交相を本部長とする事故対策本部を設置、午前10時45分から省内で会合を開いた。情報収集のため近畿鉄道局から職員2人を現地に向かわせた。北側国交相も同日午後、鉄道局長らと現地に入る。
また、同省航空・鉄道事故調査委員会は同日、事故調査官3人を現地に派遣した。
◆警察庁も対策本部
警察庁は25日正午、瀬川勝久警備局長を本部長とする対策本部を設置した。大阪府警は午前11時までに広域緊急援助隊員41人を現場に派遣。兵庫県警は約700人態勢で事故の対応にあたっている。
◆非常に申し訳ない
JR西日本の垣内剛社長の話 快速電車が脱線し多くのお客様が負傷されています。私をトップとする対策本部を設置し、救済にあたります。警察情報では亡くなった人もおり、鉄道事業者として非常に申し訳ないと思っております。
◆けが人収容病院
兵庫県尼崎市消防局などによると、負傷者の搬送先は次の通り(25日午前11時40分現在)。
県立塚口病院50人▽尼崎中央病院40人▽関西労災病院12人▽兵庫医大病院89人▽安藤病院16人▽近藤病院2人▽県立尼崎病院2人▽県立西宮病院10人--の8病院となっている。
神戸市消防局によると、事故現場からヘリで神戸大医学部付属病院に救急搬送された1人はすでに心肺停止状態だった。また、関西労災病院に運ばれた12人のうちの1人の死亡が確認されたという。
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毎日新聞 2005年4月25日 10時23分
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