「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

両陛下:訪欧を前に会見(1)

MSN-Mainichi INTERACTIVE 皇室

b0067585_21553676.jpg 3年ぶりの海外訪問を前に会見される天皇皇后両陛下(午後3時8分、皇居・石橋の間で)=代表撮影




 天皇、皇后両陛下は25日、来月7日からのノルウェー、アイルランド両国訪問を前に皇居・宮殿で会見した。両陛下は20年前の両国訪問の思い出などにふれながら、「相互理解と友好関係の増進に資するよう努めたい」などと抱負を語った。

 両陛下の海外訪問は3年ぶりとなる。今年日本との国交樹立100年を迎えたノルウェーについて、天皇陛下は王室との交流にふれ、「記念の年に訪問することをうれしく思う」などと語った。皇后さまは前回の訪問に関し「人々の堅実な生活態度にも心をひかれてまいりました」などと振り返った。

 アイルランドは時差調整などのため立ち寄る。皇后さまは高校時代に同国を舞台にした劇の主役を務めた思い出を披露した。

 また、国旗国歌の学校での「強制」に関する質問に、天皇陛下は「国旗国歌を重んじることを学校で教えることは大切なこと」としつつ、「国民一人一人の中で考えられていくことが望ましい」と述べた。【竹中拓実】

 ◇天皇、皇后両陛下の会見内容は次の通り。(質問は4と5が外国報道機関。残りは宮内記者会)

 【天皇陛下】今朝、兵庫県で大きな列車事故があり、多くの人々が亡くなり、また、多くの人々がけがをされました。本当に心を痛めています。遺族の人々のご心痛はいかほどかと察しています。負傷された人々が良い治療を受け、回復されていくことを切に願っております。

【質問1】天皇、皇后両陛下にお伺いいたします。今回、ノルウェーとアイルランドはともに20年ぶりのご訪問と聞いております。両国に対する印象とともに、今回のご訪問で楽しみにされていること、また、3年ぶりの海外旅行を前にした現在のご体調をお聞かせください。

 【天皇陛下】回答については、不十分な点があるといけないと思いまして、書いてきましたので、それを読みながらお話ししたいと思います。私がノルウェーを訪れたのは2回あります。最初は1953年、英国女王の戴冠式にあたって、戴冠式後、欧州諸国を回った時のことです。もう今から20年、いや、52年たちました。

 オスロの王宮にホーコン7世国王とオラフ皇太子をお訪ねし、その後、離宮で午さんをいただきました。ホーコン7世国王は100年前、ノルウェーがスウェーデンとの同君連合を解消し、デンマークの王族から迎えられて、国王になられた方です。私がお会いした時は、既に在位期間50年近くに及んでいました。第一次世界大戦前から国王でいらしたわけであり、在位中のさまざまなご経験を伺わなかったことを残念に思っています。なお、オラフ皇太子に初めてお目にかかったのは、英国女王の戴冠式の時で、皇太子妃もご一緒でした。

 皇太子は昭和天皇より2つ年下という19歳の私とは親子の年齢差があるにもかかわらず、いつも丁重に接してくださったことが、印象に残っています。

 この時お会いした皇太子妃はその後、ノルウェーを訪問した時には病院にお入りになり、お亡くなりになったことを残念に思っています。この後、オスロから飛行機で西に飛び、スタヴァンゲル、ハウゲスンド間を船で渡り、そこからイエイロまでフィヨルドや木の生えていない高原を見ながら、自動車で旅し、ノルウェーの自然景観を味わいました。平和条約発効の1年後に戦争の痛手を大きく受けた日本から訪れた者にとって、ノルウェーで訪れた各地は豊かで美しく感じられたことが印象に残っています。

 2度目は20年前のことになりますが、オラフ国王が日本を国賓としてご訪問になったことに対する答訪として、当時、皇太子であった私が、皇太子妃とともに昭和天皇の名代として訪問した時のことです。

 この時はデンマークの訪問を終えた週末に当時のハラルド皇太子ご夫妻とベルゲン方面のフィヨルドを船で回り、楽しいひと時を過ごしました。

 オックスフォード大学に留学中の現在の皇太子も招いてくださり、本当に心のこもったおもてなしをいただきました。

 その後のオスロの公式訪問では、高齢のオラフ国王が、皇太子ご夫妻とともにほとんどの行事にご一緒していただきました。今年は日本との国交が樹立して100周年になります。これを記念して両国間の理解を深めるさまざまな行事が行われると聞いております。この記念の年にノルウェーを訪問することをうれしく思っています。

 この度の訪問を通して両国の相互理解と友好関係の増進に資するよう努めたいと思っております。この度、初めて訪れるトロンハイムはホーコン7世の戴冠式が行われたところであり、歴史を顧みつつ、ノルウェーの理解を深めていきたいと考えています。

 国王陛下には今月初めに手術をお受けになり、ご療養中ですが、今回の訪問中にお会いすることが出来るほど、ご回復になっていると聞き、うれしく思っています。

 王妃陛下にはご心痛のこととお察ししていますが、先日お会いしたホーコン摂政殿下とともに行事にお出になり、再びお目にかかれることを楽しみにしております。

 アイルランドを訪れたのは2回あります。1回目は1953年に英国女王戴冠式に参列した時に欧州諸国を巡り、米国へ向かう飛行中の給油のためにシャノン空港に着陸した時です。2回目はヒラリー大統領が国賓として日本をご訪問になったことに対する答訪として当時、皇太子であった私が皇太子妃とともに昭和天皇の名代として訪問した時です。スペイン訪問を終えて非公式にアイルランド西部で週末を過ごし、週が明けてからダブリンでヒラリー大統領にお目にかかるなど公式行事に臨みました。

 アイルランドで印象に残っていることはさまざまありますが、訪れたところでは、西部の木も無いバレンの厳しい自然景観やハイキングの居城のあった緑のタラの丘などが印象が残っています。

 この度のアイルランド訪問は時差調節を兼ねた非公式の訪問ですが、先日、日本でお会いしたマカリース大統領閣下と夫君と再びお会いするのをうれしく思っています。

 この前の訪問は3月の初めでしたが、この度は5月の初めであり、緑豊かなアイルランドを味わえることを楽しみにしています。

 【皇后陛下】私もこれまで記憶に頼ってお話をしていましたけれども、70になりましたので今回からは書いた物に頼ってお話をさせていただきます。前回の北欧4カ国の訪問から既に20年がたち、この度再びノルウェーを訪問するにあたり、改めて往時のことを懐かしく思い出しています。

 先の訪問の折、当時の国王オラフ陛下は、そのころまだ東宮、東宮妃であった陛下と私をオスロ空港で迎えてくださり、滞在の全期間を通じて、手厚くもてなしてくださいました。

 ちょうど昭和天皇に近いお年ごろの国王陛下にお連れいただいて、フログナー公園でヴィーゲランの彫刻を見た夏のひと時が、その時とりわけ印象深かったモノリッテンという作品の記憶とともに忘れられない思い出となって私の心に残っています。

 この時の訪問では、オスロでの公式行事に先立ち、4カ国訪問のちょうど中日にあたる週末を西海岸のベルゲンで過ごしましたが、当時、皇太子でいらした現国王陛下が、妃殿下とともにオスロからいらしてくださり、美しいソグネ・フィヨルドの航海を楽しませてくださいました。

 途中小さな島に立ち寄った時に、ちょうどその島で公演があったのか、もしかしたら私どものために計画してくださったのか、役者さんの一団がバイキングの服装で、私ども一行を襲ってくれました。素晴らしい経験でした。

 ご夫妻は、その後の公式日程においても国王陛下とともに常に私どもに付き添ってくださり、訪問を成功に導くための大きな助けとなってくださいました。

 こうした王室、皇室間のきずなに加え、厳しいけれども美しいノルウェーの自然やその懐ではぐくまれた文化や芸術、国民性とも思われるノルウェーの人々の堅実な生活態度にも心をひかれてまいりました。

 先述したヴィーゲランを知ったのは前回の訪問の時でしたが、グリークやビヨルンソンの名を知ったのは中学高校時代のことでした。グリークの「最後の春」や「子守歌」などのピアノの小曲、「シンネエヴェ・ソルバッケン」という美しい響きの題を持つ「日向丘(ひなたがおか)の少女の物語」など、私はそのころ特にノルウェーの作曲家や作家の物とは意識せず、世界の音楽、世界の文学として愛好し、やがてその魅力ある曲想や文体をノルウェーのものとして認識していったのだと思います。

毎日新聞 2005年4月25日 23時04分
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by miya-neta | 2005-04-25 23:04 | 社 会