清原に“珍指令”?視聴率アップに氏家会長が本音ポロリ
2005年 04月 30日
SANSPO.COM 2005/04/26
〔写真:福岡・博多に上陸した番長。きょうこそ決めると気合十分だが、関係者からは『もう少し引っ張って』のホンネも!?=撮影・江角和宏〕

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打ってほしい! でも本当はやっぱり打たないで!! 嗚呼(ああ)もどかしい胸のうち…。
「東京ドームで打ってくれるのが一番なんだけどなぁ。しばらく(試合が)ないから打っちゃうだろうな…」
その言葉こそほかでもない、日本テレビの定例記者会見に姿を見せた氏家会長=顔写真=が、思わず漏らしたホンネだった。
通算500本塁打に王手をかけた20日の阪神戦から4試合足踏みが続いている清原。26日のヤクルト戦にもそろそろ一本出そうな雰囲気だが、アレ? 次の東京ドームって5月3日? 何日引っ張るつもりやねん?
実はこの日、前日24日の中日-巨人戦(TBS)の視聴率が開幕3戦目、4月3日の広島戦の16.8%に次ぐ15.2%を記録したことが判明した。
■巨人・日程と中継キー局■
月・日 相手 球場 中継キー局
4・26 ヤクルト ヤフードーム 日本テレビ
4・27 〃 〃 〃
4・29 広島 広島 TBSテレビ
4・30 〃 〃 テレビ朝日
5・ 1 〃 〃 日本テレビ
5・ 3 横浜 東京ドーム 〃
「いい数字です。接戦の試合展開がよかったのでしょうが、清原選手の打席に注目していた方もいらしたのでは」と笑いが止まらないのはTBS宣伝部。「あと1本」への期待に加え「下半身論争」でが然、注目を集める清原人気、番長景気が反映された形だ。
一方、巨人戦中継が生命線の日本テレビはといえば、4月の月間視聴率が過去最低の12.9%と低迷。今月7日の横浜戦では開幕直後では史上最低の8.8%を記録した。今月最高の視聴率は、清原が2発ブチ込んで500号に王手をかけた20日の阪神戦(14.2%)。すがるのはやっぱり番長をおいてほかにない。
今日こそ、そして明日こその『じらし効果』で目指せさらなる視聴率アップ? いやいや番長の一発がなくてはチームも勝てぬ…。決める気満々の清原本人をよそに、視聴率男の周辺は「打つべきか、打たざるべきか」とハムレットの心境だ。
(佐藤 春佳)
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■番町ウオッチ
名古屋から次なる遠征地・福岡への移動日。番長は午前中に白い長袖Tシャツとスウェットパンツ姿で名古屋市内のホテルから外出。周囲を威圧する凄みには、宿舎にわずかにいたファンもたじろぐほどだった。
午後1時に再びホテルに戻ると急いで身支度。わずか20分足らずで黒いスーツに白シャツ、ノータイ姿でフロントに姿を見せ、チームより一足早く精算を済ませて無言のままタクシーに乗り込んだ。チーム本隊は午後2時過ぎの新幹線で博多入りしたが、清原は完全別行動で午後8時過ぎにJR博多駅に登場。心身ともにリフレッシュし、さあ500号に向けて仕切り直しだ。
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■データBOX
史上8人目の通算500号本塁打にあと1本に迫っている巨人・清原。26日からヤフードームでヤクルト2連戦を戦う。同球場(平成5年から昨年までは福岡ドーム)では通算12本塁打。西武時代は52試合、191打数で8本塁打を放っており、6.50試合、23.88打数に1本の割合。巨人では19試合、58打数で4本で、4.75試合、14.50打数に1本の割合だから、巨人に移籍後のほうが効率はよい。
ただし、ヤクルト戦通算25本は、セ・リーグのカード別では最も少ない(セ最多は広島戦の42本、パではダイエー戦の74本)。この球場で最後に本塁打を放ったのは平成15年5月21日、二回にホッジス(現楽天)から。
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★平均視聴率は昨年下回る12.9%
巨人戦の4月第3週までの平均視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は12.9%で、昨年同時期の15.1%を下回った。氏家会長は「凡戦が多かった」と分析するとともに、8勝13敗で最下位に沈む不振が影響との見方。一方の清武球団代表は「勝ちゲームに持っていくような試合をすることが視聴率を上げる秘訣。堀内監督もこのまま終わるはずがないと言っていた」。実際、巨人が勝つか、接戦だった試合の視聴率は比較的高く、勝利が何よりの特効薬と言えそう。
★渡辺前オーナー「もういかんな」
渡辺前オーナーが悲観的な観測を口にした。首位・中日と5.5ゲーム差の最下位となった巨人について「5.5か。もういかんな。そりゃあ、まだ分からんけど、5.5ってのは…」。守護神候補だったミセリの退団などフロントの“失態”に「球団全体が反省しないと」と怒りの矛先を向けていた。
★上原は今季初完投に意欲
27日のヤクルト戦の先発が有力な上原が、空路移動の主力組よりひと足早く、名古屋から福岡入り。軽めのランニングやブルペンでの投げ込みで汗を流した。両足に不安を抱え、これまでの4試合は途中降板だが、「完投? そうですね。中継ぎの連投が続いているので」と意欲十分。阿波野コーチも「そういう(完投させる)時期にきているかも」と期待した。
★山本ヘッドが打順の変更示唆
4連敗中のチームは得点力も低空飛行。山本ヘッドコーチは「打線のチームなんだから、攻撃力を何とかしないと。控え選手を起用するとか、そろそろ何かをしないといけない」とオーダーの変更を示唆した。打率.154のキャプラーや出塁率.265の1番・仁志らにメスが入りそうだ。
★自由枠ルーキー・野間口が今週中に一軍合流
G投再建の切り札として自由枠ルーキー・野間口(シダックス)が今週中に一軍合流することが内定した。「近くそれなりの舞台を用意したい」は阿波野投手コーチで、30日か5月1日の広島戦での先発が有力。野間口はこの日脱線事故が起きた兵庫・尼崎市の出身。JR福知山線は父・幸徳さんの通勤路でもあり、事故にこそ巻き込まれなかったものの「ニュースで見てビックリしました」と声を落としていた。
★新事務所での業務開始
巨人の球団事務所が東京・神田錦町から大手町に移転し、新事務所での業務を開始した。