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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

研修指定病院の38%、小児救急「学べぬ」 厚労省調査

asahi.com:研修指定病院の38%、小児救急「学べぬ」 厚労省調査-暮らし


2005年06月10日10時41分

 若手医師を育てる臨床研修指定病院のうち、小児救急のカリキュラムがない施設が約4割を占めることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。小児の救急患者は大人以上に容体が急変しやすい。その実地訓練を受ける機会のない医師が多いままでは「小児救急医療の充実はおぼつかない」との声が現場の病院長らからも寄せられている。

 調査は、全国に922ある指定病院の病院長を対象に実施し、412施設から回答があった(回収率45%)。

 うち156施設(38%)が、新人の救急研修に際して「小児の救急はほとんど実施していない」と答えた。そもそも小児の時間外診療に対応していなかったり、対応していても小児科医が少なくて研修させる余裕がなかったりするためだ。

 昨春始まった現行の臨床研修では、救急と小児科は全員が学ぶことになっている。

 小児科で、小児の発熱や腹痛など、内科的な初期対応は学べる。ただ、子どもの死因の上位を占める外傷ややけど、窒息などは経験する機会が少ない。小児虐待を見抜く目を育てる上でも救急での経験は大切で、「内科的な研修だけでは、子どもの重症度を総合的に判断する能力は身につきにくい」と指摘する声がある。

 ところが、救急の現場では小児救急を専門にする医師そのものが少ない。こうしたことを背景に、今回、回答した病院長の46%が「現在の研修が、将来の小児救急医療の充実につながると思わない」と答えている。

 小児救急の体制を充実させる動きは出ている。国は09年度までに、全国を404に分けた小児救急医療圏すべてに、夜間に一定の入院治療ができる受け皿をつくる目標を立てている。日本小児科学会も、病院小児科を統合し、小児科医を地域のセンター施設に集めるなどの案を提唱している。

 今回の調査を担当した田中哲郎・国立保健医療科学院生涯保健部長は「小児救急は、経済的にも制度的にも、医療界全体でどう支えるか考える時期に来ている」という。
by miya-neta | 2005-06-10 10:41 | 社 会