中国の若者 日本人好き、国嫌い鮮明 対日意識調査
2005年 07月 07日
【北京=福島香織】中国の英字紙チャイナ・デーリー(6日付)によると、同紙発行の若者向け週刊誌が実施したアンケート調査で、中国人若年層の51%が「日本人と友達になりたい」と答え、「友達になりたくない」(21%)を大きく上回った。
今年4月から全国の大学生ら1657人を対象に行われた対日感情に関する調査だ。「日本をどう思うか」という質問に対しては、「好き」はわずか2.8%にとどまり、「好き」と「やや好き」をあわせても10%だった。逆に「嫌い」(28%)、「やや嫌い」(24%)と、“嫌日派”が過半数となり、「日本は嫌いだけど日本人とは友達になりたい」という屈折した感情が浮き彫りになった。また、73%が「ビジネスとテクノロジーの領域では日中は十分協力すべきだ」と答えた。
よく知っている日本人は小泉純一郎首相、東条英機元首相、山本五十六旧連合艦隊司令長官が上位3人にあがった。
こうしたねじれた日本像が浮き彫りとなった理由だが、同紙は「歴史を反省しない日本の右翼勢力に対しては強く反対せねばならないが、日本人個人は非難されるべきではない」という中国の公式見解にたった専門家のコメント掲載にとどめている。
しかし、調査は80%が日本人と会ったことがなく、60%が新聞、テレビ、インターネットを通じ対日観が形成されたとしている。個人の経験ではなく、中国共産党の宣伝機関であるメディアが世論にインパクトを与えていることが裏づけられた。
【2005/07/07 東京朝刊から】
(07/07 08:00)