念願のマザー・テレサ役、優雅に オリビア・ハッセー
2005年 08月 05日
2005年08月03日16時13分
マザー・テレサになりきったオリビア・ハッセー=東京・渋谷で
「ロミオとジュリエット」で世界中を魅了したオリビア・ハッセー主演の「マザー・テレサ」が、13日の東京・日比谷のシャンテ・シネなどを皮切りに、全国で順次公開される。54歳のハッセーは今回、「薔薇(ばら)より」優雅にマザー・テレサを熱演している。
映画は、テレサがインド・コルカタ(カルカッタ)の高校教師から福音に目覚め、「神の愛の宣教者会」を創立、貧困にあえぐ人々のために活動を続け、97年、87歳で亡くなるまでを描いている。
ハッセーにとってテレサは20年ほど前から念願していた役柄だった。「お会いすることはできなかったが、貧しい人たちと一緒に暮らし、立ち止まらなかった彼女の行いや言葉に感銘を受けて、いつか演じたかった。彼女は、人間より高いところにある何かに思いをはせさせてくれる存在だった」
ハッセーの演技は、生前のテレサを知る人が驚くほどそっくりだった。自身も熱心なキリスト教徒。強い信仰心がそれを可能にしたと信じている。
「マザー・テレサを演じること自体が神の意思だったと思います」
20年という時間に対して、撮影入りは急だった。「ある日、突然電話がかかってきて、明日、ローマでカメラテストに臨んでくれと。その10日後には、スリランカでサリーをまとって撮影していた」
猛暑の中での撮影は相当な困難を伴った。「着いたそうそう、のどと鼻に炎症を起こし、耳鳴りもひどかった。しかし、そんなときマザーに思いをはせました。彼女の苦労に比べればこのぐらいと、自分を鼓舞して1日も休むことなくやり通すことができた」
ハッセーはアルゼンチン生まれ。15歳でジュリエットを演じ、一躍スターに。80年の布施明との結婚(後に離婚)も大きな話題になった。
次回作として友人が脚本を執筆しているコメディーを考えている。若いころに有名なラブストーリーに出演した女優と男優が年をとってから再会する物語だ。
「男優はまだ若くて、かっこいいと思っているが、女優は現実をわきまえているといった内容。私がその女優で、相手役はもちろんレナード(ホワイティング=ロミオ役)にやってもらいたい」