暗い場所でも咲かせる栄養液、大阪市大グループが開発
2005年 09月 21日
明るい場所を好む植物でも、薄暗い室内で長期間栽培することのできる栄養液を、大阪市立大理学研究科の平沢栄次教授らのグループが開発した。平沢教授は「非常に安価で、都市での室内緑化に役立つ」と話している。
栄養液は、窒素やリン酸など通常の肥料分を含んだ液にショ糖を加え、クエン酸で酸性にしてある。平沢教授らは、熱帯原産のハイビスカスを、読書も困難な照度200ルクスの薄暗い部屋で育てた。
従来の栄養液では2か月後に枯れてしまったが、開発した栄養液を1週間に1度ずつ与えると、半年以上たっても葉がほとんど残り、成長した。
グループでは、糖が光合成不足を補うとともに、クエン酸がカビの繁殖を防ぐと見ている。特許申請中で、来年にも製品化される見込み。室内の水耕栽培での省エネや、作物収穫後の品質保持にも役立つ可能性があるという。
(2005年9月19日14時13分 読売新聞)