訃報:村上三島さん93歳=文化勲章受章者の書家
2005年 11月 21日
流麗で躍動感のある独自の書風を確立した文化勲章受章者の書家、村上三島(むらかみ・さんとう、本名・正一=まさかず)さんが20日、心不全のため大阪府吹田市の病院で亡くなった。93歳。葬儀は近親者で行い、香典・供花は辞退する。偲(しの)ぶ会は来年1月27日午前11時、大阪市北区中之島5の3の68のリーガロイヤルホテル。自宅は大阪府高槻市上土室2の1の1。喪主は長男正人(まさと)さん。
48年、日展に「杜甫九日詩(とほきゅうじつし)」で初入選。49年、52年には特選となり、一躍書壇の注目を集めた。その後も日展、毎日書道展、日本書芸院展などで活躍。中国・明代末期の王鐸(おうたく)の草書連綿体に傾倒しながら、独特の解釈を加え、円熟した枯淡の書の世界を開いた。64年日展文部大臣賞、68年日本芸術院賞。85年から日本芸術院会員。98年に文化勲章。
毎日新聞 2005年11月21日 13時07分 (最終更新時間 11月21日 13時10分)