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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

別学派混在の自民も賛成 宮城県立高共学化推進請願採択

河北新報ニュース


 宮城県議会は15日、全会一致で県立高校の男女共学化推進の請願を採択した。別学存続派と共学推進派が混在した最大会派の自民党・県民会議も、最終的には「共学推進の流れができたので、議会対応としてはやむを得ない」と賛成に回り、議会内の議論は終局を迎えた。

 自民党の千葉達会長は「県民アンケート実施の請願は採択したかったが、残念だ」と苦渋の表情を浮かべた。共学化推進の請願採決時、会派からは4人が退席し、別学存続派の不満を表した。

 一律共学化に反対する村井嘉浩知事に翻意を促す声は大きくなっている。フロンティアみやぎの袋正会長は「知事は議会判断を受け止め、共学化に向けた環境整備に協力してほしい。知事もふっきれるはず」と述べた。

 知事選では共学推進派の候補を支えた民主フォーラムの内海太会長。「知事は男女別学を公約に掲げて当選したとはいえ、押し通してはならない」と強調した。
 社民党県議団の岩渕義教会長も「議会出身の知事であり、議会の重みは理解いただけると思う。粛々と来年度予算を組み、粛々と執行を」と注文を付けた。
 「教育現場の混乱が回避された」と喜ぶのは公明・21世紀クラブの小野寺初正会長。「予定通り、来年度は仙台二高の共学化予算が計上されるだろう」と話す。

 共産党県議団の横田有史団長は「着実な共学化推進を期待するが、共学化をてこに、過疎地や郡部の学校を統廃合するのは避けなければならない」と訴える。
 無所属の会の菊地文博代表幹事は「人口減少と学力低下が進む背景の中、新しい学校を築く時期にきているのではないか」と語った。

◎重い2度の意思表示 是非論抜け将来像検討を
 【解説】県議会が15日、県立高校の男女共学化を着実に進めるよう求める請願を全会一致で採択したことで、2010年度までの全県立高校共学化という県教委の計画に道筋がついた。男女別学高校の関係者らに反対意見があるのも事実だが、今回の「推進判断」を機に、共学化の是非を論じる「入り口」を抜けだし、将来の学校像や教育内容を本格的に議論する段階に入るべきだ。

 「推進」を求める県議会判断は、2月定例会の仙台二高共学化をめぐる請願採択に続き2度目であり、加えて全会一致の意味は重い。
 県教委にとって、県議会が共学化施策に賛同し、対象高校の施設整備費などの関連議案を議決するかどうかは手続き上の大きなハードルだった。その意味で、関連議案可決に一定の道筋が立ち、全校共学化に向けて大きな前進といえる。

 今回の請願採択でも県議会は、県教委の説明責任を求めた付帯意見を付けた。それは性差や男女共同参画型社会の実現など原則論を持ち出し、共学化の是非を論じることを求めたわけではない。
 県教委が説明し、関係者と議論すべきは各高校の将来像だ。中高一貫校への移行など特色を打ち出した男女別学高校が一部にある。一方、共学化後の教育課程や、受験生の関心が高い部活動や伝統行事などといった教育内容について、具体的な検討は進んでいない。

 白石晃県教育長は「各高校の魅力づくり、特色づくりを急ぐ」と語るが、少しでも多くの県民に共学化への理解を広げるためにも、将来像明示に向けた一層の努力が求められる。
 男女共学校と別学校の併存を持論とする村井嘉浩知事の今後の言動にも注目が集まる。15日、村井知事は「県議出身の知事として、県議会の全会一致採択を非常に重く受け止める」と述べた。

 県立高校の将来構想を決めるのは県教委の所管事項ではある。ただ県の教育発展には、県政トップの力も欠かせない。従来の立場や意見にこだわらず、より良い教育環境づくりを進めるため、新たな議論に加わっていくことも必要だろう。(報道部・小沢邦嘉)

2005年12月15日木曜日
by miya-neta | 2005-12-15 07:30 | 教 育