両親が心理的虐待 板橋の殺害で弁護側冒陳
2005年 12月 16日
『犬と箱に入れられ机の上に自殺本』
東京都板橋区の建設会社社員寮で今年六月、管理人の両親を殺害したとして殺人罪などに問われた元高校一年の少年(16)の公判が十四日、東京地裁(栃木力裁判長)で開かれた。弁護側は冒頭陳述で「両親には心理的虐待をするなど不適切な養育態度があった」と述べ、あらためて家裁への再移送を求めた。
弁護側は、父親が少年のゲーム機をたびたび壊したり、少年を犬と一緒に段ボール箱に入れたりしていたことなどを列挙。「少年が帰宅すると机の上に自殺本があったことがある。父親から読めと言われ、少年は『自殺しろということか』と考えた。また、落ち込んでいる母親にいたわりの言葉をかけても『うるさい』と言われた」などとも説明。「少年にとって家庭は苦痛を与えられる場で、長年感情を抑圧されていた」と指摘した。
その上で「不適切な養育により、情緒的発達が未熟で、社会性が育っていない部分があり、少年院での育て直しが必要」と主張した。
少年は東京家裁で検察官送致が決まった直後の調べに「刑務所に入ることに納得しています。服役して罪を償いたい」と供述していた。