牛肉業界の薄日一転 米国産輸入再停止「仙台名物の危機」
2006年 01月 20日
「業界にやっと光が差し始めていたのに…」。仙台の牛タン店からは嘆きが漏れる
輸入が再開されたばかりの米国産牛肉に特定危険部位である脊柱(せきちゅう)の混入が確認され、再び輸入停止が決まった20日、仙台市の牛タン店などでは、怒りと落胆の声が渦巻いた。輸入再開決定の前後から、牛タンの仕入れ価格が低下するなど「薄日が差してきた矢先の信頼を裏切る行為」(牛タン店主)に、業界からは「仙台名物が再び、消滅の危機にさらされてしまう」と悲鳴も上がった。
「仙台の牛タン業界が、元の状態に戻るゴールが、また遠くなった」
仙台市青葉区国分町の牛タン店・旨味(うまみ)太助の佐野八勇店主は、「輸入停止」のニュースを聞き、落胆した。
仙台の牛タン業界では昨秋から、豪州産のタンの仕入れ価格の下落を受け、定食などの値下げに踏み切る店が相次いでいた。同店も11月に値下げを実施したが、佐野店主は「ニュースに反応し、もう豪州産が値上がりし始めている」と嘆く。
国分町で「牛たん一福」を経営する三浦勝人社長も「輸入が再開されても楽観はしていなかったが、ますます先行きが分からなくなった」と怒る。
仙台市では牛タン価格の高騰で閉店する牛タン屋が続出した中、今月11日、「との助」(青葉区二日町)が開店した。市内では2年ぶりの新規出店とされる。
黒崎実店主は「仕入れ価格の低下もあり、仙台牛タンを盛り上げようと、店を出した。牛タンの需要が急増しているわけではない。仕入れ価格が上がるとしても、小幅にとどまってほしい」と祈るように語る。
焼き肉店も困惑顔だ。盛岡市のぴょんぴょん舎盛岡駅前店は「タンなどを確保するのが本当に大変だった。輸入再開で国産牛の値段も供給も落ち着き始め、ほっとしていたのに」。米国産牛肉の仕入れを検討していた仙台市の焼き肉店は「米国を信頼していたのに裏切られた。使用の再開は当面ない」と断言した。
牛タン輸入を手掛ける地元商社は輸入解禁後も、米国産の仕入れを控えていた。「消費者や市場の反応を見守る必要があると考えていたが、それにしても今回の出来事は非常に残念だ」と話した。
2006年01月20日金曜日
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