公園のテントも住所と認定 ホームレス男性勝訴
2006年 01月 27日
[ 共同通信 2006年01月27日 20時00分 ]
大阪市北区の公園でテント生活をしているホームレスの山内勇志さん(55)が、テントの所在地を住所とする転居届を受理しなかった区長の処分は不当として取り消しを求めた訴訟で、大阪地裁は27日、「生活の本拠としての実体がある」として、公園での住民登録を認める判決を言い渡した。
判決理由で西川知一郎裁判長は「テントの所在地は住民基本台帳法上の住所と認められ、市は転居届を受理するべきだ」と指摘。受け付けなかった処分を違法として取り消した。
公園で生活するホームレスの住所を認定した判決は異例で、原告の弁護士は「住民票がないと選挙権も行使できず、生活保護も受けられないのが実情だった」と評価。一方、大阪市は「生活の実態を判断する基準が不明確だ」と困惑している。
判決によると、山内さんは1998、99年ごろから市が管理する北区の扇町公園で生活。四隅をくいで地面に固定したテントで寝泊まりし、日雇い労働などで生計を立てている。郵便物もテントで受け取っている。