ランドセルに高級化の波 7万5000円売り切れ
2006年 02月 01日
2006年01月31日03時05分
春の新入学に向けたランドセル商戦で、百貨店を中心に高級化が目立っている。大手スーパーではひとつ2万円程度が中心だが、百貨店では4万円台前半が中心価格帯。少子化で子ども1人にかける費用が増えていることに加え、個性を強調する傾向も強まっている。
首都圏の百貨店で最もランドセルの販売数が多い高島屋横浜店。「早く選びたい」という客の声に応え、昨年10月に前年より2カ月早く専用売り場を設けた。昨年末までの売れ行きは前年比3割増。売れ筋は前年の4万円から4万5000円に。最高価格も前年は5万円だったが、今年は新投入の7万5000円の商品がすでに売り切れた。
約50種のなかで特に人気なのが「メゾピアノ」や「ポンポネット」など、子供服メーカーのナルミヤ・インターナショナルが展開するブランドもの。洋服と組み合わせられるようデザインを統一し、ふたのかぶせ部分の端がチェック柄だったり、宝石のようなライムストーンが模様に縫い込まれていたりする。
長女が小学校に入る東京都大田区の木村雅子さん(34)は「個性的なものを選びたい」と話す。
そごう横浜店も昨年9月、前年より5日早く売り場を開いた。「ブランドものや高級品を早めに手に入れたいという方が増えている」と同店。
そごうと西武百貨店を合わせたミレニアムリテイリンググループ全体でみると、売れた商品の平均価格は04年春用が3万8750円、05年春用が4万0050円で、今春用はいまのところ4万2500円という。
入学祝いに祖父母が買うケースが従来多かったが、「30~40代の独身者が増え、おいやめいに買うケースも増えている」(高島屋)という。
電通消費者研究センター消費者研究室の四元正弘部長は「子供1人当たりの親類の大人が増えた割に、家族で集まる機会が減り、入学や卒業などお祝いでお金が集まるようになっている」と、高級化の背景を分析する。