小学低学年、授業時間増へ 国語、理数の充実も
2006年 02月 09日
学習指導要領見直しを検討している中教審教育課程部会は8日、「授業時間数は特に小学校低学年について検討し、国語力、理数教育は内容を充実する必要がある」とする審議経過報告の素案をまとめた。
学習内容や授業時間数を増やす方向で、現行指導要領で進めてきた「ゆとり教育」を修正する内容。1977年以降続いてきた授業時間数削減の路線は、約30年ぶりに転換される可能性が高くなった。
文科省は年度内にも指導要領作成のため専門家会議を設置。2007年に改定作業を終え、早ければ10年度から実施される見通し。
素案は、自ら学び自ら考える「生きる力」の育成を目指した現行指導要領の狙いが必ずしも実現されていないと指摘。反復や暗記で基礎的、基本的な知識、技能を定着させ、探求的な活動につなげる必要性を強調した。
授業時間数について「国際平均より短い状況にある」とし、特に国語や理数教育、小学校低学年の時間数の在り方を検討するべきだとした。
5日制は維持するとしたが、週休2日の枠組みのままで土曜日や夏休みなどの長期休みの活用方策を探るべきだとした。
学年や教科ごとに定められている授業時間数は弾力化し、各学校が教科間などで相互に融通したり、二つの教科を一つに合わせて活用したりすることなどを提言した。
また、教育の成果や課題が見えにくいとの指摘を受けて、学校教育の質を確保するため新たに到達目標を設定。例えば、都道府県の位置や掛け算の九九、1000字程度で自分の考えを表現することなどが到達目標として検討されている。
総合的な学習の時間は「必要性について共通理解が得られている」とし、削減には慎重な姿勢を示した。今後、狙いを明確化し、各教科の見直しの中で授業時間数を検討するとしている。
小学校英語については「充実する」と表記するにとどめ、必修化については年度内に結論を出すとしている。(共同)
(02/09 01:48)