比レイテ島で地滑り 23人死亡、1000人以上不明か
2006年 02月 17日
2006年02月17日21時30分
フィリピン中部のレイテ島南部で17日午前10時(日本時間午前11時)ごろ、豪雨による大規模な地滑りが起きた。地元の南レイテ州などによると、17日夕方までに23人の死亡が確認され、53人が救出された。フィリピン赤十字や国防省によると1000人以上が行方不明になっている模様だ。
マニラの日本大使館によると、日本人被害者の情報は入っていない。
地滑りが発生したのは南レイテ州セントバーナードで、フィリピンの放送局が空撮した映像では、集落を囲む山なみが幅数キロにわたって崩れ落ち、土肌がむき出しになった。集落は10ヘクタール以上にわたり、泥の海となった。
フィリピン政府は緊急救助隊や軍、警察を派遣。発生から約4時間後の午後2時(日本時間午後3時)に現地入りし、救助活動を始めた。
ロセット・レリアス南レイテ州知事は地元ラジオに、人口約3000人の村がほぼ丸ごと土砂に埋もれ、泥は一部で「ココナツの木の高さ」にも達していると話した。授業中だった小学校が建物ごと土砂の下敷きになったとみられ、救助隊は100人以上の子どもが犠牲になった恐れがあると語った。
クルス国防相によると、南レイテ州では2月1日から16日の降水量が500ミリに達し、2月の平均である127ミリを大幅に上回っていた。海面水温が平年に比べて低い「ラニーニャ現象」のために降水量が増大したと見られている。また、発生時間近くにマグニチュード2程度の地震も確認されたが、地滑りとの関係は不明という。
レイテ島では91年11月にも、同島西部を台風が直撃、地滑りや洪水で死者・行方不明者が約6000人にのぼる被害が出た。 レイテ島は、第2次世界大戦時に日米両軍が衝突した激戦地として知られる。