悲しみ乗り越え「鴨崎学級」巣立ち 寝屋川の教職員殺傷
2006年 03月 20日
大阪府寝屋川市で昨年二月、少年(18)が母校の小学校に侵入し教職員三人を殺傷した事件の起きた市立中央小学校で二十日、卒業式が行われ、児童を守って死亡した教諭の鴨崎満明さん=当時(52)=の教え子らが巣立った。「鴨崎学級」で学んだ児童らは「これからも私たちを見守ってください」とのメッセージを、今は亡き恩師に捧げた。
この日、卒業したのは九十四人。事件は卒業生が六年生になる直前に発生した。何よりも子供たちが大好きだった鴨崎さん。その思いは教え子たちの心にしっかりと刻まれていた。卒業生たちは六年間を振り返る「はばたこう 未来へ!」と題した呼びかけに鴨崎さんの思い出もつづり、式で披露した。
卒業生は在校生や保護者らに五年生だった一昨年七月の林間学校で、「夕ご飯は鴨鍋が出て、鴨崎先生が笑っていた」とエピソードを紹介。そして、いつも温かく子供たちを見守ってくれた鴨崎さんに向けて、「朝、サッカーをしてたのに、さっきまで一緒だったのに…。いつも『ドンマイ』と励ましてくれた先生。これからも私たちを見守ってください」と呼びかけた。
卒業生に対して坂根博一校長は、鴨崎さんが教室に張っていた「きみとぼく」と題した詩の話を紹介し、「鴨崎先生はこの詩でみなさんに何を伝えようとしたのでしょうか。一人ひとりが考え、その思いを大切にし、元気に夢と希望を持って中学に進学してほしい」とはなむけの言葉を贈った。
