たんぱく質異常:認知症FTDと難病ALSで共通--欧米3カ国のグループ解明
2006年 10月 06日
認知症の一つで前頭側頭葉が萎縮(いしゅく)するFTDと、筋肉が次第に動かなくなる筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者の神経細胞で共通したたんぱく質の異常があることを、欧米3カ国の研究グループが初めて発見した。新たな治療法の開発につながると期待されるほか、アルツハイマー病など他の神経難病との関連性も注目される。6日の米科学誌サイエンスに掲載される。
FTDは、日本でも百数十万人いる認知症患者の約2割を占めると言われ、アルツハイマー病に次いで数が多い。ALSはルー・ゲーリッグ病の名称で知られ、国内で数千人の患者がいる。
米国、ドイツ、カナダの研究グループはALS患者の一部が認知症を伴うことに注目し、発症の仕組みに共通点があると考え、それぞれの患者の神経細胞を調べた。
その結果、正常な細胞では核に存在し、遺伝情報の橋渡し役を担っていると推測されるたんぱく質「TDP-43」が、FTDとALSの患者の脳ではいずれも核の外にあり、細胞自体が正常に機能しなくなっていることが分かった。研究グループは「たんぱく質の異常がどの神経細胞で発生するかで症状が異なるのではないか」と推測している。【田中泰義】
◇治療法につながる--阿部康二・岡山大教授(神経内科)の話
異なる神経難病の共通点を見いだした点で意義深く、治療法の開発につながる重要な発見だ。たんぱく質が核の外に出る仕組みの解明が今後の課題だ。
毎日新聞 2006年10月6日 東京朝刊
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