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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

いじめ緊急提言 「理想論」現場に賛否 保護者理解に時間も

Sankei Web > 東京都内 (11/30 09:56)


 政府の教育再生会議が29日に公表した「いじめ問題への緊急提言」。いじめの加害者や傍観者への厳格指導、放置した教員への処分などを打ち出したことに対し、都内の教育委員会や現場関係者から賛否両論の声が上がっている。「いじめ撲滅へ踏み込んだ提言」と評価の一方、「現場を知らない理想論」との批判も。「保護者の理解を得ていくだけでも時間がかかる」との意見もあり、提言には多くの課題があるといえそうだ。

 調布市教委は「『個別指導』『サポートチーム』などは現場で行われており、決して新しいものではない。だが、国がここまで具体的に踏み込んだ提言を出したのは初めてだ」と驚いた。

 27日から「いじめ撲滅キャンペーン」を実施している品川区教委の幹部も「いじめ問題を根本解決するための具体的方針が盛り込まれ、全体としては評価できる」。

 ただ「学校側に(加害者に対する)指導、懲戒の基準の明確化を求めたのは疑問」と指摘する。一律的な基準で加害者を罰する方針には批判的で「いったん基準ができると、柔軟な対応がとれないおそれも出てくる」とも心配する。

 江戸川区教委も「いじめる側が悪いという認識を徹底させるのは重要だが、懲戒はケース・バイ・ケースで判断しなければ」。今月、学校現場でのいじめ防止プログラム例や年間指導例を具体的に盛り込んだ実践プログラムを策定したが、加害者への懲戒については触れなかった。

 板橋区教委は「傍観者イコール加害者と決めつけるのはどうか。次は自分という恐怖心や、心的ストレスを感じる生徒も少なくない」(区教委幹部)。

 昭和61年、教員が加わった「葬式ごっこ」などのいじめで区立中学生が自殺した中野区教委は、いじめにかかわったり、いじめを放置・助長した教員に、懲戒処分を適用するとの方針に、疑問の声をあげた。

 「懲戒処分は当然だが、何が放置、助長にあたるかの判断が難しく、運用上の問題が出てくるのでは」と懸念する。

 いじめた側へのボランティア参加などが盛り込まれたことについて、八王子市教委では「提言ばかりが一人歩きしても、現場はすぐには対応できない」と話す。「毅然(きぜん)とした指導は必要だがいじめた側への指導も保護者の理解を得なければならず、どうしても時間がかかる」。提言の内容が現場の状況になじむまでの対応に懸念を示す。

 武蔵野地域の市教委幹部は「国は、なぜいじめが起こるのかを大局的に幅広く考え、提言だけでなく、予算措置を含めた総合的な対策を打ち出してほしい」と苦言を呈す。

 「自殺につながるような『末期的ないじめ』だけが、いじめではない。女子は小学校高学年になれば、必ずグループを形成して、仲間外れも出る。教員はいじめの原因をどうやって事前に察知するかという難しい問題に取り組んでいる」と現場の状況を説明する。

 現場からの疑問に対し、内閣官房の教育再生会議担当室は「理想を求めるのが再生会議の原点。現場の懸念はもっともだが、教育の根本とは何かを念頭に取り組んでほしい」としている。

(11/30 09:56)
by miya-neta | 2006-11-30 09:56 | 教 育