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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「免許外授業」申請ラッシュ 履修漏れ問題が契機

asahi.com:暮らし


2006年12月03日12時48分

 免許を持たない教科も教えられるようにする「免許外教科担任」の許可を申請する高校が、各地で続出している。申請は新年度が始まる時期が一般的で、年度途中の大量申請は異例だ。背景にあるのは必修科目の履修漏れ問題。発覚に伴う調査で、許可を得ない「無免許」授業が広がっていた実態が明らかになった上、未履修科目の補習をできる教員が足りないという事情がある。事態を重く見た文部科学省は、全都道府県教委に調査を求めた。

 無許可での授業が目立つ教科は、03年度に必修になったばかりの「情報」だ。もともと免許を持つ教員が少ない上、持っていても大学受験のために他の授業に駆り出されるケースもあった。

 福井県では、11月半ばまでの調査で、21校(県立16、私立5)の66人が情報、公民、商業などの11教科で免許を持たずに授業をしていたことが判明した。県立高校の約5割、私立の約7割に広がっており、教科別では情報が約6割の40人を占めた。

 福井市内のある県立高校では、情報の免許を持つ教員が2人いるが、実際は数学だけを担当。週2コマある情報のうち、1コマは他教科の14人が交代で指導に当たり、もう1コマは受験対策のため理科や数学に振り替えていた。「情報という教科に対する認識が甘かった」と校長は話す。

 これらの21校は、66人について免許外教科担任を県教委に申請し、許可を受けた。その後、新たに5校と、最初の21校のうち6校でも補習をやる人手が足りないことが分かった。そこで、県教委はさらに約100人の追加申請を受けたが、許可するかどうか検討中だ。県教委高校教育課は「手続きを事前にしていなかったのは極めて遺憾。免許を持つ教員を中心に、しっかり授業をするよう徹底したい」という。

 新潟県では、公立と私立あわせて19校で計54人(11月末現在)が免許のない教科を教えていた。

 このうち県立長岡大手(長岡市)では、数学や理科の教員が情報の授業を担当。情報の免許を持っている教員が3人いるが、1人が育児休暇に入ったこともあり、人繰りがつかなかったという。校長は「年度当初に申請するのをうっかり忘れていた。『免許がある先生を回してほしい』と県教委にお願いしているが、情報は絶対数が少ない」と話す。

 長野県教委には、11月の1カ月で県内の公立の約2割にあたる20校から申請が相次いだ。いずれも履修漏れの発覚で補習が必要になったケースで、教科はすべて情報だった。県教委は「情報の免許を持つ先生自体が少ないことも原因。この時期にこれほどの申請が来るのはかつてなかったことでは」と話す。

 補習に伴う申請は他にも11月末時点で、北海道で4校、島根県で3校などとなっている。文科省が調査を求めたことで、他の都府県でも無免許の授業が発覚し、申請が相次ぐ可能性がある。

 全国的に履修漏れが発覚する前の04年度でも、情報の免許外の許可件数は889件と、他教科に比べ突出して多かった=グラフ。文科省教職員課は「本来、へき地や小規模校が教員を採用できず、やり繰りできない場合を想定している。法律の趣旨から大きくはずれた申請は問題だ」と話している。

     ◇

 〈キーワード:免許外教科担任〉 ある教科の教諭が免許を持たない他教科についても、授業を担当できる仕組み。期間は1年以内で、校長と教諭が教育職員免許法に基づき都道府県教委に許可を申請する。文部科学省は02年の教委への通知で、単に教員の持ち時間数の調整などのために制度が利用されることがないよう、適正な運用を求めている。
by miya-neta | 2006-12-03 12:48 | 教 育