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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

教員の評価、誰が…教育再生会議きょうから審議

学校教育|教育・福祉|Sankei WEB


 教員評価を誰に委ねるかという問題がクローズアップされている。政府の教育再生会議が来年1月にまとめる中間報告の素案に、「児童・生徒らによる教員評価」が盛り込まれたためだ。「ダメ教師の排除につながる」という期待がある一方、教育関係者からは「子供や保護者に迎合する教員が増えてしまうのでは」という慎重論や批判が相次いでいる。教育再生会議では8、9日に都内で合宿審議を開き、議論する。

 ▼処遇反映4教委

 教員評価には、地方公務員法と地方教育行政法に基づく「勤務評定」がある。だが、組合側の反対闘争から実質的に機能しなかったり、実施していない自治体があり、文部科学省では是正を求めてきた。

 こんな事情もあり、全国の教育委員会では勤務評定とは別に、新しい教員評価システムを作る動きが広がっている。文科省の調査では、今年10月時点で都道府県と政令市の計62教委のうち60教委が新システムを導入。このうち、新システムを勤務評定として活用しているのが27教委、従来の勤務評定と併用しているのが33教委だった。

 しかし、こうした評価結果を給与などの処遇に反映しているのは東京都など4教委のみ。反映する予定も3教委にとどまっている。「反映されなければ実効性が保てない」との意見も根強い。

 ▼規制会議が再三要請

 「教育はサービス」と唱える政府の規制改革・民間開放推進会議は、児童・生徒や保護者による教員評価を再三、求めてきた。

 この結果、3月末に閣議決定した「規制改革・民間開放推進3か年計画」では、「学校教育活動に関する児童生徒・保護者による評価を学校評価の一環として実施し、評価結果を公表するよう促す」と明記。教育再生会議の素案にも「保護者、学校評議員、児童・生徒などが参画する仕組みを導入する」と盛り込まれた。

 昨年度に「指導力不足」と認定された公立校教員506人のうち、約2割は教壇を去ったが、大半は依願退職など本人の希望によるもので、教委の判断で免職させる「分限免職」は6人のみ。「現場で自浄作用が働いていない」との声は大きい。福岡県筑前町で起きたいじめ自殺では、担任教諭がいじめを助長していたとされ、「問題教師排除」の世論は強まっている。

 ▼相次ぐ慎重論

 しかし、児童・生徒を教員評価の主体として参画させることには、慎重論や反対論も多い。

 『教育評価』の著書がある梶田叡一・兵庫教育大学長は「子供、保護者が評価して教員の処遇に生かすこと自体は賛成だが、子供が教師を追い出す形になってはいけない」と制度設計に慎重さを求めたうえで、「『仲良し』だけが評価されれば、教師は子供に迎合してしまい、本来あるべき師弟関係が崩れる。教員評価は親、子供、教師の3者の信頼関係を強める形で行うべきだ」と主張する。

 民間教育臨調の委員、小川義男・狭山ケ丘高校長は「子供の人格は尊重すべきだが、子供の判断に評価を委ねるのは危険だ。生徒指導は発達段階を踏まえるべきで、小さいころは先生と子供の緊張関係が大切。力量ある先生が実力を発揮できる構造に改めるだけで良いのではないか」と、反対の立場をとる。

 11月30日の教育再生会議でも「子供、保護者にこびる先生が出てくる。学校の秩序が保たれない」との声が上がった。

 教員の評価は誰がすべきか。難しい問題をテーマの一つに、きょうから合宿審議が始まる。

(2006/12/08 07:55)
by miya-neta | 2006-12-08 07:55 | 教 育