市が請負業者に「丸尾詣で」を指導 八尾の企業恐喝
2006年 12月 09日
2006年12月09日
大阪府八尾市のNPO法人理事長丸尾勇被告(58)=恐喝罪などで起訴、公判中=が地元建設業者から金を脅し取ったり、市幹部を脅したりしたとされる事件で、複数の請負業者が「地域協力金」などの名目で丸尾被告側に計約1億3千万円を支払っていたことが市の内部調査などでわかった。調査によると、市が市発注工事の請負業者に対し、同被告側にあいさつに行くよう指導していた。また、市と同被告との長年の癒着ぶりも調査で浮き彫りになった。
市が先月下旬にまとめた内部調査などによると、01年に新市立病院建設の機械設備工事(契約額約40億円)を受注した共同企業体(JV)のうち1社が、丸尾被告と関係があるとされる建設業者に近隣対策費4160万円を払っていたことが新たに判明した。
これまで、98年に市が発注した配水場建設工事(同約23億円)で大手ゼネコン「鹿島」(東京)が6500万円を同被告側に支払い、02年に発注した障害者総合福祉センター建設工事(同約9億円)では中堅ゼネコン「浅沼組」(大阪市)と地元の建設業者のJVが同被告側に2600万円を払ったことがわかっている。
鹿島は市の調査に対して、市から同被告の名が記された地元有力者のリストを手渡され、あいさつに行くよう指示されたと回答。浅沼組とJVを組んだ建設業者は「問題が起こっても処理できないと考え、浅沼組に提案して(近隣対策費の支払いを)任せられた」と回答した。
調査によると、市は公共工事に伴う周辺住民とのトラブルを避けるために、以前から請負業者に対して自治会役員ら地元関係者にあいさつに行くことを指導・助言。丸尾被告の地元の安中地区には町会組織がないため、同被告が理事長を務めるNPO法人「八尾市人権安中地域協議会」を以前から地元組織として請負業者に紹介し、事実上市が「丸尾詣で」を勧めていた。丸尾被告は部落解放同盟大阪府連安中支部の相談役(逮捕後の9月に辞職)も務めていた。
調査によると、丸尾被告や関係者が00年4月以降、市の事業に関連して市職員と電話や面談の形で接触した件数は95件。うち25件が苦情で、10件は怒鳴られるなどの強い圧力を受けていたという。
一方、市の課長補佐以上の幹部職員312人のうち、3割近い88人が丸尾被告のもとへ年末年始のあいさつに行っていた。市の内部会議の内容が翌日には丸尾被告に漏れていたこともあったという。朝日新聞の取材に対し、市幹部の一人は「海外出張が決まった時に丸尾被告から餞別(せんべつ)が届いたこともあった」と話した。
市は調査結果で「丸尾被告がNPO法人理事長と部落解放同盟支部相談役の地位を巧妙に使い分けて市との関係を築いてきた」と同被告の強い影響力を認め、「同人を無視しては業務が遂行しがたい構図をつくりあげてしまった」としている。
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