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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

「当事者意識薄く危険」 ネットいじめ 義家氏に聞く

河北新報ニュース


「当事者意識薄く危険」 ネットいじめ 義家氏に聞く_b0067585_23265651.jpg 仙台市の中学3年男子生徒(15)がインターネットの掲示板で中傷されるいじめを受けた問題は、ネットの匿名性がいじめの陰湿化を助長する側面を浮かび上がらせた。「ネットいじめ」と言われる新手の形態で、学校も十分に対応できなかった印象を否めない。今回の問題点を、政府の教育再生会議室長を務める義家弘介氏(35)に聞いた。

 ―掲示板に同級生をひぼうする書き込みをした今回のいじめは、加害者は自分を匿名にしながら、被害者の実名をさらして攻撃しました。
 「非常に悪質。地下で進行する現代いじめの典型で、その発展的な形態と言っていい。誰も明確な当事者意識を持たないまま進行する。加害者が被害者に立場が変わるなど陰湿化も際立っている」
 「小中学生、高校生とも大半が携帯電話を使って投稿する。パソコンでも家庭のアドレスでなく、匿名性が保たれるネットのフリーメールアドレスを取得して投稿する場合があり、書き込みの悪質さを助長する。義務教育期間中はネット利用の制限を設けるべきだ」

 ―今回は被害生徒が転校を余儀なくされました。一般に、被害者が転校や不登校などに追い込まれ、加害者がそのまま学校に残る例が多くみられます。
 「転校措置は解決策の中で最も安易。学校は加害生徒に非を自覚させ、被害生徒に謝罪させなければならない。見て見ぬふりをした大半の生徒も指導する必要がある」
 「これまでは加害生徒への教育が放置されてきた。被害生徒が泣き寝入りする現状は変えなければならない。履歴には転校が一生付きまとう。生徒を転校に追いやったという認識があるのかどうかと学校に問いたい」
 「学校は臭いものにふたをする対応で済ませてきた。不都合な情報でもきちんと開示し、地域と一体となって解決する姿勢が必要だ」

 ―再生会議でも「いじめた側の生徒を出席停止に」と加害者に制裁を科す主張をされています。
 「出席停止は学校教育法で定められ、法的根拠がある。だが、これまでほとんど行使されていなかった。いじめで人を死に追い込んだり、転校や不登校を余儀なくさせたりした生徒に対しては、毅然(きぜん)とした対応を取らなければならない。それができないなら教育機関と呼べない」

 ―いじめが表面化すると、よく「いじめられる側も落ち度がある。もっと弱い相手をいじめる加害者でもあった」という反応が出てきます。
 「加害生徒は決まって『被害生徒も悪い』と主張する。しかし、被害生徒の問題点を指摘するのは教師であり、生徒ではない。生徒が行えば結果的にいじめに発展する」

 ―今回の報道で、河北新報社は学校側が問題の重大性を受け止めて適切な対応を行うよう促すのと、近隣の他校に誤解や疑心暗鬼を生じさせないために、生徒が在校した学校名の公表に踏み切りました。
 「(校名を明示して)いじめを具体的に明らかにするのも教育の1つの方法だ」

[よしいえ・ひろゆき]1971年長野市生まれ。地元の高校で退学処分を受け、不良生徒らを集める北海道余市町の北星学園余市高校に入った。明治学院大を卒業し、同学園に教師として赴任。「ヤンキー先生、母校に帰る」と話題になった。同学園を退職し、横浜市教育委員に。今年10月から内閣府教育再生会議の有識者メンバーとして担当室長を務めている。

2006年12月28日木曜日
by miya-neta | 2006-12-28 10:25 | 教 育