医師宅で妻は自殺、娘は凍死、院長は届けず…岐阜
2007年 01月 12日
12日午後1時ごろ、岐阜県各務原(かかみがはら)市鵜沼東町、整形外科医院「山田整形外科」=山田雄治院長(68)=宅居間に、妻慶子さん(66)と長女由起子さん(39)の遺体があるのを、通報で駆け付けた県警各務原署員が見つけた。
2人が死亡したのは11日とみられ、慶子さんは自殺、由起子さんは凍死の可能性が高い。山田院長は警察への届け出を行っておらず、同署は医師法違反(異状死体等の届け出義務)の疑いもあるとみて事情を聞いている。
調べによると、由起子さんは11日午前8時ごろ、自宅裏口のフェンスにもたれかかった状態で倒れているのを、出勤した看護師が発見。連絡を受けた山田院長が蘇生(そせい)を施したが、死亡した。
看護師が慶子さんに知らせに行ったところ、慶子さんは1階寝室内で、タンスの取っ手にベルトを掛け、首をつって死亡していた。
由起子さんには酒を飲んでいた形跡があり、同署は、酒を飲んで外で倒れ、寒さで凍死したとみている。慶子さんの寝室には中から鍵がかかっており、家族あての遺書も見つかったことから、自殺とみられるが、同署は15日に司法解剖を行い、詳しい死因や2人の死の因果関係を調べる。
山田院長は2人の死亡確認後、遺体を居間に移すなどしていたが、12日午後、警察官が来るまで、届け出ていなかった。山田院長は「立場があって通報しなかった」と供述している。
山田院長方は3人暮らし。由起子さんは医師、慶子さんは薬剤師の資格を持っていたが、医院の経営が最近振るわず、家庭内でトラブルが続いていたという。
現場は、JR鵜沼駅から北西に500メートル離れた国道21号線近く。周辺には住宅や商店が立ち並んでいる。
(2007年1月12日21時30分 読売新聞)