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「二条河原落書」のネタ帳


by miya-neta

きょうの号砲は主婦ランナーへの前走曲 大阪国際女子マラソン

スポーツニュース:イザ!


2007/01/28 06:42

 ■独身最後 小尾「監督の一言が後押し」小崎「私の仕事は走ること」

 2007大阪国際女子マラソンは28日午後零時10分、号砲を迎える。国内招待選手は多彩な顔ぶれがそろったが、レース後に人生の節目を迎える2人のランナーがいる。ヘルシンキ世界選手権代表の小崎まり(31)=ノーリツ=と、4年連続の大阪参戦となる小尾(おび)麻美(30)=スターツ=だ。小崎は3月、小尾は2月に挙式を控える。日本の女性ランナーは結婚すれば競技から離れる選手がほとんどだが、2人はともに現役を続ける。共通する思いは「主婦でもやれる」。そんな気概を持って、独身最後の42・195キロにのぞむ。(細井伸彦)

 小崎は大阪市在住の公務員(30)と、小尾はヤクルト所属の長距離ランナー、西沢洋務さん(31)と挙式する。結婚後も走り続ける女性ランナーはいまでこそ増えたが、「主婦業に軸足を置く」という制約をつければ、その数は激減するだろう。

 既婚のトップ選手としては、弘山晴美(38)=資生堂=と土佐礼子(30)=三井住友海上=が代表格。ただ、弘山は夫の勉さん(40)が所属チームのコーチ。土佐は夫の村井啓一さん(33)が地元の松山市に住み、本人は東京へ“単身赴任”という形態をとっている。海外ランナーでも夫がコーチというケースは多い。今大会に出場するリディア・シモン(33)=ルーマニア=も夫でコーチのリビュウさんがいつも付き添っている。いずれも走ることが生活の中心にある。

 小崎らの場合、事情は少し違う。基盤はあくまで家庭にあり、主婦業を優先しつつ競技に取り組むという点だ。

 「普通の共働きの夫婦と一緒だと思う。ただ、私の仕事が走ることというだけで。そこの違いにしか思えないんですよ」

 小崎は結婚後、11年間暮らした神戸市内の寮を出て、夫の職場に近い大阪市内に新居を構える予定。ノーリツ所属は変わらないが、早朝のランニングを終えてから弁当と朝食をこしらえ、自分で作成したメニューに沿って自宅近辺でトレーニングする構想という。

 「食事も練習も全部、自分で考える。それで結果が出せればすごい。『一流』といわれるところからは落ちるつもりではいるんですけど、もしかしたら…」。仕事と家事を両立している女性はいくらでもいる。それなら自分も-。これが小崎の持論である。

                  ◇

 「陸上を続けられる環境をつくるから、やってみないか」
 結婚を機に引退を考えていた小尾が心変わりしたのは、所属先の上野敬裕監督(34)の後押しがきっかけだ。

 別居やいわゆる「週末婚」を望まなかった小尾にとって「時機を見計らって合宿には行くが、レース選択は夫を優先させていい」との提案は願ったりかなったりだった。

 「私がやろうとしていることは、既存のチームには受け入れられないかもしれない。でも徐々に、監督や会社の理解が得られつつあると感じる」

 上野監督は3月限りでチームを去るが、小尾も行動をともにするつもりだ。4月以降の所属は未定。あすのレースは、新たなスポンサー探しという重責をも背負って走ることになる。

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 女子マラソンの普及に伴い、トップ選手の年齢は上がっている。昨年フルマラソンで2時間27分を切った日本人選手7人のうち、5人までが30代。トップは2時間23分26秒(名古屋1位)の弘山だが、本格的にマラソンを始めたのは29歳だった。
 年齢を重ねて記録が伸びたはいいが、成長曲線のピークは結婚適齢期と重なり合う。「主婦ランナー」の頑張りは、そうしたジレンマを抱える選手たちに勇気を与え、大きなうねりとなって陸上界の“常識”を覆す可能性を秘めている。
by miya-neta | 2007-01-28 06:42 | 女 性