浅野氏、都知事選出馬へ 「市民の思い真剣に受け止め」
2007年 02月 28日
2007年02月28日15時27分
3月22日告示の東京都知事選を巡り、前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎氏(59)は28日、朝日新聞記者の取材に対し、「市民の思いを真剣に受け止め、(立候補を)前向きに考えたい」と語り、立候補の意向を固めたことを認めた。立候補を求める市民団体などを基盤に、無党派で戦うと見られる。一方で、民主党が独自候補を擁立した場合は立候補しない考えを示しているが、民主党執行部は浅野氏が立候補する場合は独自候補の擁立を見送る方針。このため、浅野氏が立候補する見通しとなった。
浅野氏は同日、「立候補してほしいという市民からの声をたくさん聞いた。こうした市民の思いを真剣に受け止め、立候補を前向きに考えたい」と語った。しかし、「民主党が独自候補を立てた場合は勝ち目がなくなるので立候補を断念せざるを得ない」とも語った。
浅野氏を巡っては、民主党が「党外からの最後の候補者」と立候補を打診したが、浅野氏は「受ける考えはない」と断った。立候補を求める市民の動きに対しても、当初は「立候補する考えはない」と語っていたが、25日に都内のホテルで開かれた市民集会に参加。立候補の意思は明言しなかったが、「出席しなければ礼を失すると思った。(皆さんの)話を聞いてみたかった。びっくりし、感激して言葉も出ない」などと語っていた。
浅野氏は仙台市出身。旧厚生省の社会局生活課長などを経て93年11月、当時の宮城県知事がゼネコン汚職で逮捕されたことを受けた出直し知事選に新生、日本新などの推薦で立候補。自民、社会、民社などが推薦した前副知事らを破って初当選した。2期目以降は政党の支援を受けず、3期務めて05年11月に退職。在任中は情報公開や地方分権を積極的に進め、改革派知事と呼ばれた。
都知事選には、3選を目指す現職の石原慎太郎氏(74)や共産党が推薦する元足立区長の吉田万三氏(59)、建築家の黒川紀章氏(72)らが立候補を表明している。